人が住む家には必ず生息していると言われるダニ。高温多湿を好むダニは、気温・湿度ともに上昇する春から夏にかけて、絶好の繁殖シーズンを迎えます。家にカーペットを敷いているという人は要注意! 毛足が長いカーペットは、湿気やゴミが溜まりやすいため、格好の繁殖スポットになります。今回は、普段の掃除にプラスして、簡単にできる効果的なダニ対策を紹介します!

暖かくなると、カーペットにダニが繁殖!

そもそもダニってどんな虫?

ダニは非常に多様性に富んだ生物で、世界中に数万もの種類が生息していますが、家の中に発生するダニは主に4種類です。このうち全体の7割を占めるのがチリダニで、続いてイエダニ・ツメダニ・コナダニの順に多く生息しています。 ダニの大きさは、小さいもので0.3mm、大きいものでも1mmしかありません。ダニのほとんどは半透明~乳白色、もしくは黄色~薄いベージュ色をしているため、大きいものでもパッと見て肉眼で確認するのは難しいでしょう。

ダニの中には、吸血をせず人に害を及ぼさない種類もいますが、ダニは人を刺すほか、その死骸や抜け殻、糞もアレルギー疾患を引き起こす原因となるため、充分に注意が必要です。また、チリダニが増えると、それをエサとするツメダニも増えてしまうので要注意です。

ダニは種類も数も多いのです

駆除できるの?

ダニは人の垢やフケ、汗などをエサに成長するため、人がいる限りはその数を0にすることはできません。しかも、ダニはわずか1gの人のフケで300匹が育つほどの強い繁殖力と、酸素が少ない場所や、洗剤の中でも数時間生き続けられる、驚異の生命力を持っています。

カーペットや布団など保温・保湿力のある場所を好んで、数千~数万の数で生息しますが、1平方メートルあたり100匹ほどに数を減らせば、刺されたりアレルギーになったりする可能性を抑えることができます。

どうして夏に繁殖するの?

ダニが好む環境は、気温20~30℃、湿度60~80%の環境です。特に、25~28℃で湿度が70~80%になると、繁殖がさらに活発になります。夏場は、気温25~28℃、湿度60%が適温・適湿だと言われていますが、この環境がまさにダニの繁殖条件なのです。

特に、カーペットの上は素足で歩いたり、寝転がったりすることが多いですよね。人の体温で表面の温度が上がり、垢や汗が繊維につき湿気も溜まりやすくなります。温度と湿度、栄養分の3つがそろうと繁殖してしまうため、夏場は特に定期的な掃除が必要なのです。

カーペットの上は、温度も湿度も栄養もそろいやすくダニが増えやすい環境

カーペットのダニを死滅させる方法

カーペットの掃除アイテムと言えば、掃除機や粘着シートですね。しかし、生きているダニは鋭い爪をカーペットの繊維に絡ませてしがみつくため、掃除機や粘着シートを使っても、多くのダニが残ってしまいます。一番良い方法は、ダニを死滅させたあとに、その死骸を抜け殻や糞と一緒に掃除機で吸い取ることです。

ダニの弱点は、50℃以上の高温と、湿度55%以下の乾燥です。50℃の場合は20~30分ほどで、60℃以上では一瞬で死滅してしまいます。また、カーペットの一部分を温めても、熱くない場所へとダニが移動してしまっては意味がありません。60℃以上の高温で、一瞬で死滅させるのが一番効果的です。

そこで便利なアイテムがスチームアイロン。温度を「高」に設定すれば、噴射されるスチームの温度は100℃にもなります。カーペットが焦げたり変質したりしてしまうのを防ぐため、清潔なタオルを水に濡らして固く絞り、カーペットに広げた上からアイロンをかけましょう。ささっと終わらせずに、じっくり熱を浸透させるように少しずつ動かすのがポイントです。

スチームアイロンでカーペットのダニを駆除!

効果的な掃除機のかけ方

アイロンがけが終わっても安心してはいけません。ダニを死滅させたあとは、カーペットの毛足の奥に残った、大量の死骸や糞を取り除く必要があります。これが残ったままになると、カーペットの上で動くたびに、ホコリと一緒に舞い上がった死骸を吸い込むことになり、アレルギー性鼻炎や喘息などの疾患を発症してしまう可能性が高くなります。

掃除機を使って、丁寧に死骸を吸い取りましょう。毛の流れに逆らうように、引きながら掃除機をかけていきます。フローリングのように押して引いてと往復させずに、時間をかけてゆっくりと引きながらかけると効果的です。一方向だけでなく、上から下、下から上、左から右、右から左と、全方向からかけるとさらに効果的です。

掃除機は時間をかけて丁寧に

理想的な掃除の頻度

ダニの寿命は2~3カ月ですが、1匹につき1日1個の卵を産むため、少なくとも週に一度はアイロンがけと掃除機がけをするのがおすすめです。ダニはカーペットだけでなく、家のあらゆるところに生息しているため、カーペットだけを完璧に掃除しても、根絶させることはできません。

ある程度数を減らすことができれば、刺されたりアレルギーを発症したりする可能性も低くなるため、あまり神経質になり過ぎずに、できる範囲で定期的に掃除するように心掛けましょう。

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著者プロフィール: くらしのマーケット

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