福岡名物のひとつ「もつ鍋」。熱々の鍋を囲み、わいわい楽しく博多の夜を堪能した経験のある人も多いだろう。鍋と言えば、仲間と一緒につつくのがお約束。しかし、おひとりさま大歓迎のもつ鍋屋さんも、福岡には存在する。

JR博多駅そばにある「もつ鍋おおやま カウンターKITTE博多店」は、1人で"来福"したときに、絶対使えること間違いなしのひとりもつ鍋専門店だ。なんと客席は"カウンタースタイルのみ"という徹底ぶり、早速紹介しよう。

ふわっふわ! まるでマシュマロのような「もつ鍋(味噌)」(1人前: 1,490円)

超人気店のもつ鍋、ラーメンを食べる感覚で

福岡には、たくさんのもつ鍋専門店が軒を連ねている。店舗により、もつの部位やサイズはさまざまだが、スープは味噌か醤油の2種類、具材はキャベツ、ニラ、豆腐が主流だ。店主がこだわり抜いたもつとスープの絶妙な味わいは、まさに百花繚乱。福岡市民には、それぞれにお気に入りのもつ鍋店があり、1年を通して通っている。

そんなもつ鍋天国の福岡で、現在破竹の勢いを誇っているのが、「もつ鍋おおやま」だ。約10年前に博多区店屋町に本店を構えたあと、JR博多駅界隈や天神パルコ、そして東京、横浜、大阪などへ相次いで出店。現在は福岡を中心に13店舗を展開している。いまや週末の予約は必須の超人気店だ。

カウンター20席だけの店内。1席1台、IHヒーターが格納されている。鍋は半煮え状態で提供され、各自で火力を調整していただく。キャベツやニラがくったりしてきたら食べごろ!

そんな同店が、新しいスタイルで出店したのが、今回紹介する「カウンタースタイル」のもつ鍋店。どうして「ひとりもつ鍋専門」にこだわっているのだろうか。

「全店舗に共通して、おひとりさまで来店される方が多かったんです。それなら、1人でもつ鍋を食べられる店を作ろう! ということになりました」と語るのは、店長の男澤徳好さん。同店には、掘りごたつ席も、テーブル席もない。20席のカウンターのみでレイアウトされ、来店客の7割がおひとりさま、残りは2人組とのこと。そして、初めてもつ鍋を食べる人がほとんどだという。

「女性のお客さまも多いです。みなさん、ラーメン屋さん感覚でもつ鍋を食べてくださっているようです」。今春で開店1周年を迎えるが、最近では、全国各地から訪れるリピート客も増えているのだとか。

"濃厚美味"味噌スープの絶品鍋でひとり酒もアリ!

直径約30cmの鍋に、キャベツ、細切りゴボウ、豆腐、男性の片手で一握りの山盛りニラ(約30g)と、国産若牛のもつが130g入ってボリューム満点!

超人気店というだけあって、味の方もお墨付き。同店の一番人気は断然、味噌味の「もつ鍋」(1人前: 1,490円)だ。「食べた瞬間のインパクトをとても大事にしています。うちの味噌味のキャッチフレーズは"濃厚美味"(こゆうま)。他店には絶対にマネできない味。自信があります」と男澤店長。こだわりのスープは、福岡をはじめ、九州各地の数種類の味噌と、西京味噌をブレンドして仕上げている。

もつの脂身が溶け込んだ、うまみあふれる濃厚スープの中には、レンゲ山盛りのすりおろしニンニクとゴマ、ニラがどっさり。そして、九州産若牛の小腸を使った新鮮なもつが、ゴロゴロと入っている。口の中に入れると、ふわふわとマシュマロみたいな柔らかい食感がたまらない。「もっともつを食べたい!」という場合には、「追加もつ」(734円)もあるのでご安心いただきたい。

「もつを3人前追加された方もいます。みなさん、シメのちゃんぽん麺までしっかり食べられますよ」と店長の男澤徳好さん

そして、最後のシメはちゃんぽん麺(1人前: 302円)。男澤さん流の食べ方を聞いてみると「鍋の具材を半分くらい食べてから、ちゃんぽん麺を入れると最高においしい!」とのこと。ちゃんぽんと野菜を一緒に食べるのがオススメだそうだ。

11時~15時のランチタイムには、ひとりもつ鍋にちゃんぽん麺かご飯(大盛り無料)、前菜2種、濃厚杏仁豆腐か味付玉子がついてくる「もつ鍋定食」(1,274円)も楽しめる。

もつ鍋だけでなく、2013年IWC(世界最大級のワイン品評会)・SAKE部門でチャンピオンを受賞した「喜多屋」(1合626円)をはじめ、福岡の日本酒も充実。酢もつ、馬刺しといった、酒のつまみも数多く取りそろえているので、ぜひ鍋と一緒に、1人でゆっくりと味わっていただきたい。

●information
もつ鍋おおやま カウンターKITTE博多店
住所: 福岡市博多区博多駅中央街9-1 KITTE博多地下1F
アクセス: JR博多駅博多口からすぐ
営業時間: 11~24時(L.O 23時半)
定休日: なし

※記事中の情報・価格は2016年12月取材時のもの。価格は税込