老後資金は仕事を退職した後のセカンドライフを充実させるために大切な資源だ。特に超高齢社会の日本は平均寿命が長いため、若いうちからコツコツと備えておく必要がある。

ただ、その必要性を認識していながらも、なかなかと貯められずにいる人も少なくないのが現状の様子。40代と50代のマイナビニュース会員301名に聞いたところ、現時点で貯めている人は54.2%にとどまり、「貯めていない派」との差は約8ポイントにとどまっている。

そこで今回、現在既に老後資金を貯め始めている40代および50代のマイナビニュース会員163名に「目標とする老後資金額」について質問してみたので、理由と併せて紹介する。

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Q. 現在、老後(65歳以降)のための資金を貯金していますか?

はい: 54.2%
いいえ: 45.8%

Q. 「はい」と答えた方にお聞きします。最終的には老後資金をいくら貯金する予定なのか教えてください

1位: 3,000万円以上(31.3%)
2位: 1,000万円未満(24.5%)
3位: 1,000万円以上1,500万円未満(15.3%)
4位: 1,500万円以上2,000万円未満(14.1%)
5位: 2,000万円以上2,500万円未満(8.6%)

目標としている貯金額の割合

■3,000万円以上
・「長寿の家系であり、親を含めた親族が高齢者施設へ入居せざるを得ない要介護状態となっている現状で、医療費や施設への支払い明細を確認しているので」(53歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「いくつまで生きるか分からないが、子供には絶対に負担をかけさせたくないから」(54歳男性/その他/その他)
・「毎月の生活費ともしもの時の治療費」(54歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「毎月40万円の出費×12カ月×25年」(40歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「余裕があるに越したことはないので、貯められるだけ貯めて備えようと思っている。ニュースなどを観ると自分らが貰う頃には年金が激減していそうで心配だから」(42歳男性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)

■1,000万円未満
・「まずクリアできる目標から達成するため」(41歳男性/サービス<その他>/専門サービス関連)
・「国民年金保険にも期待せざるを得ないのですが、今から貯蓄を始めて60歳までに約500万円を貯める計算で保険を組みました。その他の部分も試算し、現時点ではこれで過不足ない生活が行える見込み」(42歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「老後のために今使いたいお金を我慢したくはない。今やりたいことにお金を使いたい。しかし、長生きしてしまったらお金があるに越したことはないから、最低限のお金は残したい。だから1,000万以下でよい」(45歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「男性の平均寿命+10歳まで生きるとして、定年60歳で退職金が約1,000万円と貯蓄分約720万円に65~70歳で仮に年金を満額受給できた場合、ぜいたくを控えれば生活ができると考えている」(40歳男性/その他/その他)

■1,000万円以上1,500万円未満
・「年金と退職金、相続財産を差し引いて80歳まで現状程度の生活ができる額」(57歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「65歳まで現役で働き、男性の平均寿命まで生きると仮定した場合、1,500万円くらいあれば衣・食・住の暮らしに困らないと思い、目標金額としています」(46歳男性/その他/その他)
・「あくまでも最低限の金額としている。あまり無理して貯金しようとすると、人生の楽しさを棒に振る結果になってしまうので。あまり金額が多くないのは、定年退職後も仕事をすると考えているから」(44歳男性/その他/その他)

■1,500万円以上2,000万円未満
・「将来65歳以降に夫婦2人で受け取れる年金額を鑑みて。だいたいの予測で出してみました。3,000万円以上は退職金が出ないので無理です」(57歳女性/その他/その他)
・「将来、年金を頼れるような生活は多分できそうもないので、2人が働ける年齢まで少し無理をしてでも貯蓄し、2,000万円程度を目標にしている」(54歳男性/その他/メカトロ関連技術職)
・「現実的に身体が仕事に耐えられなくなる70歳までに貯められそうな金額として設定」(41歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)

■2,000万円以上2,500万円未満
・「65歳で定年退職した後、90歳まで生きると仮定すると、1カ月に+8万円は必要になるため」(56歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「20年分くらいの上乗せ額を考えて2,000万以上くらいかと」(52歳男性/専門コンサルタント/その他技術職)

■総評

回答数が最多だったのは、約3割が支持した「3,000万円以上」。「とにかくできるだけ多くということで目標は青天井」(44歳男性/サービス<その他>/事務・企画・経営関連)、「いくらあっても足りない。実際には1億円を目指しているが、ほど遠い。夢も夢、かすみのよう」(54歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)などのように、将来が不安なために1円でも多く蓄えておきたいという考えの人が多かった。

続いて、「1,000万円未満」が2位になった。「これ以上は無理そう」「貯められそうにないから」といった消極的なコメントから、「いつまで生きられるかわからないので、ほどほどな金額で」といったものまで幅広い意見が寄せられていた。3位の「1,000万円以上1,500万円未満」に関しては、「特に根拠はないがなんとなくこれくらいあればいいかな」といった趣旨の意見が散見された。

老後の主な不安材料としては医療費や介護費用があげられる。その一環として生命保険や医療保険に加入している人は多いが、ライフステージの変化に伴って保険の見直しはしているだろうか。現在の自分にとって本当に必要な保障か否かをあらためてきちんと判断することで、月々の支払い負担を軽くできる可能性もある。その浮いた分を老後資金として貯蓄するのも手だろう。

備えあれば憂いなし。おのおのに見合った方法でしっかりと「第二の人生」を健康的に過ごせるためのお金を貯めていきたいものだ。

調査時期: 2016年12月21日
調査対象: 40代と50代のマイナビニュース会員
調査数: 301名(男性221名 女性80名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート