CVカンパニーの幅広い商品群、生産・販売面でも存在感

トヨタのCV商品群は、SUVの「ランドクルーザー」シリーズ、SUV/ピックアップトラックの「IMV」シリーズ、ピックアップトラックの「タンドラ」、「タコマ」、ミニバンの「ヴォクシー」、「ノア」、「エスクァイア」、バンの「コースター」、「ハイエース」に「ウェルキャブ」(福祉車両)と世界各地の生活を支えるクルマとして定着している。

SUVとしてのランドクルーザーは「ランクル」の愛称で海外でも知名度抜群であり、IMV(イノベーティブ・インターナショナル・マルチパーパスビークル)は、その名のとおりトヨタが新興国市場をターゲットとしたCV世界戦略車で、アジア、アフリカ、南米で生産基地化を定着させた。2002年にスタートしたIMVプロジェクトには、日野やトヨタ車体なども連動して参画し、今回のCVカンパニーに繋がるものとなった。

知名度抜群の「ランクル」など、CVカンパニーが取り扱う車両は幅広い

日本国内販売におけるCVカンパニー車種のトヨタ車全体での販売比率は35%だが、世界販売では2015年実績で約262万台に達する。海外生産比率は55%と日本国内での生産を上回るものとなっている。

マイクロバス「コースター」の位置づけ

そもそも、マイクロバスの成り立ちは、小型トラックのシャシーにバスボディを架装したものが起源で、現在はバス専用シャシーを採用している。マイクロバスは、日本国内での要件や使用性を拠り所として企画され、その使い勝手の良さから、北米や欧州を除く全世界で販売されている。

国内での要件とは、国土交通省通達でレンタカーとして使えるバスの要件(全長7メートル以下、定員29人乗り以下)と国内生活道路に入れる車幅として狭隘路などで最大幅規制(全幅2.1メートル以下)に対応するものとなっている。国内マイクロバス市場は、長期保有化や委託輸送の拡大、人的輸送の小規模・個別化による使用車両のダウンサイジング化などの影響で、市場規模は縮小しているものの、近年は年間4,000台前後で堅調に推移している。

その中でコースターは、単独で約35%のシェアを握っており、日野へのOEM(日野リエッセⅡ)分を合わせると、トヨタグループで60%以上のシェアを確保している。競合車は三菱ふそうのローザ、日産のシビリアン、いすゞ自動車OEM車となっている。