東京都は12月19日、2016年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果を発表した。調査は7月31日時点のもので、都内の従業員数10~299人の中小企業対象に郵送で行われ、995社の回答を集計した。

平均賃金は38万4,714円

「全常用労働者の平均賃金」

全常用労働者(直接雇用される労働者のうち、嘱託・再雇用、臨時工、パートタイマー・アルバイト、病欠者、休職者を除く全従業員)の平均賃金は、所定時間内賃金が34万8,159円、所定時間外賃金が3万6,555円となり、合計で38万4,714円(平均年齢40.9歳、平均勤続年数10.1年)だった。

労働組合の有無別にみると、労働組合の「ある」企業は「ない」企業に比べ、所定時間内賃金で2万3,033円高い。企業規模別では「100~299人」規模の企業が所定時間内賃金、所定時間外賃金、年間給与支払額とも最も高くなっている。

2015年の源泉徴収票支払金額から求めた年間給与支払額の平均額は、535万5,812円だった。

平均初任給は大卒20万5,942円

初任給(通勤手当を除く所定時間内賃金)を学歴別にみると、高校卒17万7,284円、高専・短大卒18万8,494円、専門学校卒19万318円、大学卒20万5,942円となった。また、職種別にみると、高校卒では「営業販売系」がもっとも高く、高専・短大卒、専門学校卒、大学卒では「技術系」がもっとも高かった。

「初任給」

平均賞与は年間87万9,327円

過去1年間(2015年7月から2016年6月)に賞与を支給した企業の平均金額は、2016年の夏季一時金が40万1,503円、2015年の年末一時金が40万7,869円、その他賞与が6万9,955円で、合計すると87万9,327円。企業規模別での支給額は、企業規模が大きいほど高くなった。

「賞与」

退職金制度がある企業は69.8%

「退職金制度あり」とする企業は回答企業の69.8%。退職金制度がある企業を100%とすると、退職一時金のみを採用している企業は70.4%、退職一時金制度と退職年金制度を併用している企業が25.9%、退職年金制度のみを採用している企業が3.7%となった。

モデル退職金(卒業後すぐに入社し、標準的に勤務した場合の退職金水準)をみると、定年時の支給金額は、高校卒が1,082万9,000円、高専・短大卒が1,030万5,000円、大学卒が1,138万9,000円だった。

「モデル退職金」