鎌倉・逗子の海と街を一望

いったん、披露山入口のバス停まで戻り、次なる目的地、逗子市と鎌倉市の市境付近にある絶景スポット「パノラマ台」を目指そう。披露山入口バス停から200mほど歩くと、次の「亀ヶ丘」バス停があり、そのすぐそばのコンビニの角を右折する。ここから住宅地の中を20分ほど歩いて行くと、鎌倉方面へと続くハイキングコースの入口がある。

鎌倉方面へと続くハイキングコースの入口

ハイキングコースに入ると間もなく、住宅地のすぐ近くだというのに、いきなり、かなり迫力のある景色が飛び込んでくる。「名越切通し(なごえきりどおし)」という、国の史跡にも指定されている中世の遺跡だ。

切通しとは、周囲を山に囲まれた鎌倉において、交通の便をよくするために人工的に開削(かいさく)した通路のことをいう。こうした鎌倉と外界を結ぶ切通しは、名越を含めて全部で7カ所あり、「鎌倉七口」などとも呼ばれている。岩壁と岩壁に挟まれた切通しの狭い通路を抜けて先へ進もう。ここからしばらくは山道が続くが、アップダウンはそれほどなく、歩きやすいので安心だ。

「鎌倉七口」のひとつ、名越切通し

途中、中世の横穴式墳墓群である「まんだら堂やぐら群」(公開時期限定)や、800m以上にわたって3~10mの断崖が続く「大切岸(おおきりぎし)」と呼ばれる鎌倉石の石切場跡などが見えてくる。山道を20分ほど歩くと、いつの間にか道は「鎌倉市子ども自然ふれあいの森」の中に。この森の中の小高い丘の頂上に設置されている「パノラマ台」と名付けられた小さな展望台からは、鎌倉と逗子の市街地と海、そして、冬は富士山も大きく見える。

以前は、周囲の景色をグルリと、ほぼ360度見渡すことができ、まさに「パノラマ」の名がふさわしい場所だったが、2016年12月8日の取材時には、北側は背の高い草が生い茂っており、ほとんど眺望がなくなっていたのが残念だ。それでもなお、鎌倉で有数の素晴らしい絶景スポットであることは間違いなく、ぜひ、訪れてみてほしい。

パノラマ台から眺めた鎌倉市街地と海。天気が良ければ富士山も見える

さて、「パノラマ台」から先ほどの道をもう少し歩くと、鎌倉と逗子にまたがって造成されたハイランド住宅地に出る。この住宅地内にある「夕陽台公園」バス停、または「西友ストアー前」バス停から、鎌倉駅行きのバスで鎌倉駅に移動し、最後はいよいよイルミネーションも美しい絶景スポット・江の島を目指そう。鎌倉から江の島までは、江ノ電で25分ほどだ。

●information
鎌倉市子ども自然ふれあいの森 パノラマ台
住所: 神奈川県鎌倉市浄明寺鎌倉市子ども自然ふれあいの森
アクセス: JR鎌倉駅または逗子駅よりハイランド循環バス「夕陽台公園」下車徒歩約10分