『恋仲』に他局の制作者からエール

藤野氏

昨年は『恋仲』、今年は『好きな人がいること』(スキコト)と、夏の月9を手がけてきた藤野氏は、映画館で女子中高生が恋愛モノに熱狂する姿を見たことをきっかけに、ラブストーリーをプロデュースしたと説明。『恋仲』は、初回視聴率が9.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と1桁だったが、10代の比率が高く、回を追うごとに同層の数字がどんどん上昇していったという。

こうした若い世代をターゲットにした作品を月9でチャレンジすることに対し、初回の9.8%という数字が出た後、NHK・民放を問わず、他局の制作者から多くのエールが送られてきたといい、「それはすごくうれしかったです」と励みになったそうだ。

『恋仲』『スキコト』は、SNS上で大きな盛り上がりを見せ、制作サイドとしても積極的に活用。視聴者とダイレクトにコミュニケーションできるツールで、率直な感想を聞くことができるため、『スキコト』は、Twitter・Instagram・LINEの合計フォロワー数が最終回前で約170万に達していたが、「皆さんの感想は全部読んでました」と明かした。

また、『スキコト』は、藤野氏の大学の同級生の子供(6歳)が、夏向(山崎賢人)にハマっていたという。その子は、連続ドラマを見るのが初体験だったそうで、CMに入るとテレビ画面をiPadだと思ってスライドさせる動作をしていたといい、「10年後には、彼らが僕らのお客さんになってくる」と、次世代に向けたドラマ作りを考えさせられたようだ。

藤野氏は現在、次の作品の準備に入っているといい、「『恋仲』や『好きな人がいること』を超えるくらい話題になるような自信作です。絶対面白いです!」と力を込めた。

テレビ業界志望の学生にメッセージ

フジテレビと武蔵野大学は、ともに東京臨海副都心まちづくり協議会のメンバーとして、湾岸エリア地域の盛り上げという目的も踏まえ、この産学連携ゼミを展開。マスコミ志望の学生が多く聴講する中で、軽部アナは「人間臭い現場なので、明るい、気持ちのいい人材を採りたいというのは普遍のテーマ。ぜひ自分磨きをしてください」とエールを送った。

明松氏は、自身が就職活動をしていた当時、「会社と僕のお見合いみたいなものだと思ってました」と述懐。内定をもらえなくても「別に人格を否定されたわけじゃなくて、面接官の人との相性が悪かっただけなんだなと、自分を納得させながら就活をしていました」と言い、「その会社に入りたいがためにウソをついたりする必要はないと思います。自分の価値をちゃんと理解した上で、こびないでやった方が、先々の人生にはいいと思います」とアドバイスした。

そして藤野氏は、熱烈なドラマ志望で入社したものの、最初に配属されたのがイベントなどを手がける事業部で、最初は落ち込んでいたことを告白。しかし、仕事で立ち会った嵐のコンサートを見て、「同年代ですごい!」と感動して大ファンになり、その後もアジアツアーなどに携わった縁から、入社2年目で相葉雅紀の舞台をプロデュースしたそうだ。藤野氏は「自分の意志とは違うことがあっても、その場で頑張っていけば、いずれ自分のやりたいこともやれるようになります」と、教訓を伝えていた。