預金商品を選ぶときに、気をつけた方がいいことは?

預金から税金が引かれる仕組みは?

さて、この税金をどうやって納税するの? と思う人もいるかもしれません。預金の納税は、源泉分離課税といって、利子が支払われるたびに税金分が差し引かれることで完結します。

サラリーマンの場合、会社が給料を支払うときに所得税や住民税を差し引いた金額を支払いますよね。このことを源泉徴収といい、預金の利子も同じ源泉徴収の仕組みです。利子を払うときに銀行が税金分を差し引いた残りを預金者に払います。

例えば「金利0.01%」の6カ月定期に100万円預ける場合の計算をしてみましょう。前述したように利子は100万円×0.01%×6/12=50円です。利子に税率を掛けるので、50円×20.315%=11円。それを利子から差し引いた39円が口座に入ることで納税されます。

そもそも超低金利の昨今。少しでも金利の高い預金商品を選ぶことは大切ですが、表示されている預金の金利は「年利」であることと「税引き前」の金利であることを覚えておいてください。

「財形貯蓄」なら非課税で貯金できる

もともとわずかな利子なのに、それでも税金を取られるの? と、ため息が出そうになる人も多いのではないでしょうか。そんな人は非課税の貯蓄商品でお金を貯めていくことも考えると良いでしょう。

会社員の場合、給与天引きで貯金できる「財形貯蓄」があります。財形貯蓄は、「一般財形」「財形住宅」「財形年金」の3種類。このうち「財形住宅」「財形年金」の2つは、積立期間中の利子に税金がかかりません。つまり100円の利息がつくなら、税金が差し引かれることなく、そのまま100円が付与されて税金分の20%分お得になるということです。

財形住宅は住宅の購入やリフォーム等、財形年金はリタイア後の年金というふうに、使途が限定されいるものの、マイホーム資金や老後資金を貯めるなら、是非これらを利用したいですね。ただし、目的外の払い出しや中途解約の場合はペナルティとして過去5年間にさかのぼって課税されるので、注意しましょう。

筆者プロフィール:武田明日香(たけだ あすか)
エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル!」「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人を送るための知識を伝えている。人生の"やりたい"が"できる"に変わるお金の教養スクール開講中!