俳優の市村正親が20日、都内で行われた舞台『ミス・サイゴン』製作発表に登場した。

左から、ダイアモンド・ユカイ、市村正親、駒田一

同作は1992年に初演をむかえて以来、日本での通算上演回数は1368回を重ねる。ベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、愛と別離の物語が繰り広げられる。この日はエンジニア役の市村、ダイアモンド・ユカイ(“・”は六芒星)、駒田一、キム役の笹本玲奈、昆夏美、キム・スハ、クリス役の上野哲也、小野田龍之介、ジョン役の上原理生、パク・ソンファン、エレン役の知念里奈、三森千愛、トゥイ役の藤岡正明、神田恭兵、ジジ役の池谷祐子、中野加奈子と、16名のプリンシパル・キャストが勢ぞろいした。

2014年の公演では、市村に初期の胃がんが発覚し、開演後に降板が決定。会見では、当時を思い出した笹本が涙を見せる場面もあったが、病気を乗り越え見事に復活した市村は「前回は胃がんだったけど、今回はガンガンいきますよ」とジョークを飛ばし、キャスト陣を笑わせた。

初演から25年間エンジニア役を務め続け、会見で共演者から「ミスター・サイゴン」「演劇の巨人」「ミュージカルの怪人」と様々な二つ名で呼ばれた市村は、今回を「ファイナル・ステージ」と銘打ち、同作から卒業することとなる。自ら「ミス・サイゴンの主」と名乗った市村は「ロンドンの『ミス・サイゴン』が今度ブロードウェイで開くという話を聞きまして。日本を最後にして、ブロードウェイを目指そうかなと」と語った。

また、ダイアモンド・ユカイがミュージカル初挑戦となるが、市村は「ユカイちゃんね、緊張しまくってるんですよ。ロックンロールのくせに」と暴露。「あんまり僕を意識しないで、自分の役を追求すればいい」とアドバイスをおくった。さらに、自分の役作りについては「今まで考えたことないくらいに、強く演技プランを考えながらやっていこうと思います。そうすれば、どんな人が来ても僕のエンジニアを越せないと思います」と自信をのぞかせた。