国交省は6月17日、羽田空港跡地第2ゾーンの開発に係る民間事業者を住友不動産・東京国際空港プロジェクトチーム(代表企業: 住友不動産)に選定したことを発表。事業者は平成30年4月1日から平成80年3月31日までの原則50年、国から空港用地(行政財産)の貸付けを受け、宿泊施設等の整備・運営を行う。

第2ゾーンの概要

羽田空港の沖合展開事業等により発生した跡地第2ゾーンについては、「羽田空港跡地まちづくり推進計画」(平成22年10月、国土交通省、東京都、大田区、品川区)を踏まえ、宿泊施設等の整備・運営を行う民間事業者について、一般競争入札総合評価落札方式による公募手続きを行ってきた。

第2ゾーンの基本的な考え方としては、羽田の24時間国際拠点空港化に伴って求められる機能の早期実現を図る、国際線地区との補完的役割や一体的な土地利用、また、親水性や景観に配慮しつつ第1ゾーンや水際線との連続性を確保するとしている。対象地は国際線ターミナルに接した約4.3haで、平成29年末には隣接する道路の供用を予定している。

事業者の選定は、国際旅客等のニーズに合った質の高いサービスを提供し首都圏の国際競争力の向上に資する、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け宿泊施設を確保する、貸付期間における整備・運営の実施体制に係る着実性などの点を評価。

内容評価の必須項目は、「宿泊施設および複合業務施設を導入すること」「施設計画において、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに少なくとも宿泊施設の一部を開業させる計画とすること」「国際線旅客ターミナルビルと第2ゾーンのアクセスとして空中歩廊の整備を行うこと」としている。なお複合業務施設に関しては、航空・空港関連、観光関連、国際交流関連など、国際線地区に隣接したエリアにふさわしい施設(貸会議室またはバンケットルーム等)と定義している。

さらに内容評価の加点項目には、「訪日外客対応」「バリアフリー等ユニバーサルデザイン」「景観に配慮した動線計画」なども含まれている。これらの評価に価格(貸付料)評価をあわせ、内容評価点を50点、価格点を50点の計100点満点とし、最も高い評価者を落札者とする一般競争入札(総合評価落札方式)にて実施。その結果、選定事業者は住友不動産・東京国際空港プロジェクトチームで、代表企業は住友不動産、コンソーシアム構成員は4社(住友不動産ヴィラフォンテーヌ、日建設計、西松建設、前田建設工業)となった。

総合評価結果の概要

入札は住友不動産・東京国際空港プロジェクトチームのほか、日本空港ビル・京急・三菱地所・大成グループ(代表企業: 日本空港ビルデング)、GLOBALWINGS羽田チーム(代表企業: ANAホールディングス)が参加。価格評価点+内容評価点で評価し、1位は住友不動産・東京国際空港プロジェクトチーム、2位は日本空港ビル・京急・三菱地所・大成グループ、3位はGLOBALWINGS羽田チームとなった。内容評価点の内訳や審査講評等の審査に関する詳細、及び提案概要については、後日公表される予定となっている。

今後のスケジュールとして、平成28年7月頃に基本協定を締結、9月頃に事業協定・国有財産定期借地権設定契約書を締結し、平成30年4月1日~平成80年3月31日にかけて貸付けとなる(対象地の一部については平成30年1月1日から貸付け可能)。