JR東日本は8日、山手線用車両の新造計画を発表した。E235系の量産車を新造し、2017年春頃から山手線へ順次投入する。山手線の現行車両E231系500番台は中央・総武緩行線への転用改造工事などを行い、継続して使用する計画とされた。

山手線で営業運転に就くE235系(量産先行車)

E235系は「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」をコンセプトに開発された新型通勤電車。量産先行車が昨年落成し、山手線に先行導入された。デビュー当日から車両トラブルが相次ぎ、営業運転を見合わせる事態となったが、不具合の原因とみられるソフトウェアを改修し、試運転を重ねた上で、今年3月に復帰している。

JR東日本は2016年度設備投資計画にて、E235系の本格投入に向けた準備を進めると発表していた。今回の発表でも、「山手線に先行導入したE235系通勤形車両(量産先行車)も本格的に営業運転を開始しており、このたび、E235系通勤形車両(量産車)を新造することとしました」と同社。来年春から量産車を順次投入し、2020年春頃までに49編成(1編成あたり11両編成、計539両)の投入を完了する計画であることが明らかにされた。

量産車も「お客さまサービスの向上、さらなる安全性・安定性の向上、環境性能の向上」を特徴とするなど、量産先行車の車両仕様を踏襲した車両に。多言語による情報提供の充実を目的に、異常時情報などを音声放送(日英2言語)や情報提供装置への表示(日英中韓4言語)で知らせる機能も導入するという。

E235系の量産車投入にともない、E231系500番台の転用も本格的に始まる見込みに。一部編成はすでにイエローのラインカラーをまとい、中央・総武線で活躍している

E235系量産車の投入に合わせ、山手線の現行車両E231系500番台は中央・総武緩行線へ順次転用される。情報提供装置を装備した車両の転用により、中央・総武緩行線における案内サービスの充実を図る。転用改造工事とともに、ホームにおける安全性向上のため、ホームドアにも対応できる保安装置などの車両改造も行う。