6月3日から世界190カ国で全10話一斉配信される、動画配信サービス・Netflixオリジナルドラマ『火花』の翻訳を担当したお笑い芸人チャド・マレーンが、号泣しながら作業にあたったことを明かした。

チャド・マレーン(左)と『火花』場面写真

同作は、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が第153回芥川賞を受賞した同名小説が原作で、主人公である売れない芸人・徳永(林遣都)と、その彼が師と仰ぐ先輩芸人・神谷(波岡一喜)の姿を通して、「笑いとは」「才能とは」「生きるとは」「人間とは」を描くもの。

チャドは、作品の世界が、自身の過ごしてきた時代や舞台そのものであるため、「僕のこの半生の間、周りで散ってしまった数々の夢の分だけ、号泣しながらパソコンの前でカタカタする日々でした」と、翻訳作業の意外な苦労を打ち明ける。

しかし、それで奮起した面もあるようで、「最終的に、言っていることがこんなにオモロいのに、こんなに号泣する漫才はない、と全世界中の人に言わせるつもりで、ええ仕事をしてみました」と自信をのぞかせた。

オーストラリア出身で高校生の時に初めて来日した際、漫才の面白さに感銘を受けたというチャド。ただ今作は"面白さ"よりも"ロマン"が立っていると評し、「ミッキー・ロークの『レスラー』と同様、一度でも夢を見たことのある人なら号泣間違いなしの作品だと思います」とハリウッド映画を例にあげて、太鼓判を押している。