PMSと似たような症状が続く場合は治療を

ただ、最近は「若年性更年期障害」といって、30代でものぼせやほてり、月経が止まるなど、更年期と同じような症状に悩むケースが増えている。PMSと症状が似ているために軽視されがちだが、PMSは症状が出るのが月経前に限られるのに対し、若年性更年期障害は月経周期に関係なくずっと続く。そのような場合は、婦人科での治療が必要となる。

日本の健康診断ではBMI値やコレステロール値など、メタボリックシンドロームに関する数値検査は意識的に行うが、ホルモン数値の検査は経験がない人がほとんどだろう。

ただ、ホルモンの数値で加齢変化や甲状腺などの病気を早期に発見することも可能なのだ。不調が続く場合、あるいは40歳を過ぎたら、自身の体の状態を知るためにも定期検診の一つとして婦人科でホルモン数値を計るのがよいだろう。

個人差が大きい男性の更年期障害

これまで女性の更年期障害について説明してきたが、男性にも更年期障害はある。症状も対処法も女性の場合と同じではあるが、女性以上に年齢の幅や症状の出方に個人差が大きいのが特徴と言える。

男性の更年期障害は認知度も低いため、それが原因による不調だと気付きにくいのが現状。男性の場合、泌尿器科の男性更年期障害外来で治療を受けられるため、思い当たる場合は一度受診するとよい。

女性の場合も男性の場合も、更年期は人生の通過点であり、心も体も大きく揺れ動くとき。心身ともに安定できるよう、自身の体と向き合うことから始めてみよう。

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