PMS(月経前症候群)とよく間違われるのが更年期障害。PMSと同じく、ホルモンバランスの変化が原因で症状もよく似ているけれど、「生理の周期と関係なく症状が現れたら、更年期障害だと思ってください」と、AACクリニック銀座の浜中聡子院長は話す。本稿では、更年期障害について紹介しよう。

気づかぬうちに更年期の症状が治まる場合も

PMSは月経前の一定期間、エストロゲン(卵胞ホルモン)よりプロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になることが原因とされている。一方、女性の更年期障害は女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌自体が減少することで起きる不調のことだ。

下記の表のように、閉経(48~52歳頃)をはさみ前後10年程度が女性ホルモンが急激に減少する時期と言われており、平均すると日本人女性は45~55歳が更年期障害が出やすいとされている。

一定の年齢を過ぎると、エストロゲン量は急激に減少する

更年期障害の代表的な症状は以下の通りだ。

「ヒステリックになる」「イライラする」「気分が落ち込む」「気分のアップダウンが激しい」など。

「ホットフラッシュ(ほてり、発汗)」「のぼせ」「動悸(どうき)」「めまい」「疲れやすい」「肩こり」「肩が上がらない」「睡眠の質が悪くなる」「皮膚の乾燥とたるみ」「膀胱炎になりやすい」など。

更年期の症状の出方はさまざまで、「寝込むほど重かった」という人もいれば、「いつの間にか過ぎていた」という人も。また、更年期は子供が独立したり、親の介護があったりとライフスタイルにも大きな変化がある時期。それらのストレスが多いと、症状が重くなる場合がある。市販薬や漢方薬を服用したり、アロマセラピーやハーブを生活に取り入れたりするのも改善策として活用したい。

だが、症状が重いようなら、婦人科を受診してホルモン補充療法を行うという選択肢もある。現在はホルモン補充療法にも飲み薬やバッチ、ゲル剤塗布などがあるので、ニーズやライフスタイルで選ぶことが可能だ。