スカイツリー開業も集客力は健在

言わずと知れた観光名所の東京タワーだが、ここ数年の来塔者数はどのような状況になっているだろうか。まずは推移を確認しておきたい。

東京タワー来塔者数は2015年度に盛り返している

近年の来塔者数を見ると、東日本大震災が発生した2011年度は前年に比べ大きな減少となっているが、スカイツリーが開業した2012年度には前年度比で増加に転じるなど、集客力は依然として高いという印象だ。2013年度から2014年度にかけては、鉄塔の耐震工事や商業施設「フットタウン」のリニューアルで営業時間を短縮。結果的に来塔者数も減っていたが、2015年度にはインバウンド効果もあり客足が戻った。2015年度は営業終了時間を従来の22時から23時へと延長したほか、限定の土産物などを取り扱うオフィシャルショップ「ギャラクシー」の売場面積を2倍に拡張するなど、観光面で攻勢を掛けた1年だった。

東京を舞台とするアニメやドラマに登場する頻度が高いこともあり、東京タワーは海外でも名が知れている。澤田氏によると、来塔者のうち外国人観光客が占める割合は現状で3割程度だという。

訪日外国人自体が増加している現状を考えると、東京タワーを訪れる外国人旅行者が増えているのも不思議ではないが、インバウンド獲得に結びついた要因として、東京タワーの立地条件を見逃すことはできない。

浜松町を経由する外国人旅行者がターゲット

東京タワーに程近い浜松町駅は、羽田空港を出発するモノレールの終着点でもある。入国するにしろ出国するにしろ、羽田空港を利用する外国人旅行客の一部は浜松町駅を経由する。

芝公園や増上寺を含む浜松町エリアは、外国人観光客に回遊の魅力を訴えるのにも適した場所。「このエリアが東京観光のスタート地点になれば」と澤田氏も語るように、東京タワーは立地をうまく活用し、外国人観光客の立ち寄りを増やしていく構えだ。浜松町駅に降り立つ外国人旅行客が東京タワーを経由し、徒歩圏内にある4つの地下鉄駅から東京観光に出発するというルートが定番となれば、東京タワーは東京観光の玄関口とでもいうべきポジションを確立できるわけだ。

大展望台(150m)から見た増上寺周辺。澤田氏は「もちろん特別展望台(250m)まで上がって欲しいが」と前置きしたうえで、「ぎりぎり人の表情が分かる高さ」に位置する大展望台からの眺望がオススメと教えてくれた

東京タワーが外国人観光客を惹きつける要因は、その眺望だけではない。人気アニメをフィーチャーしたテーマパークが、国内外の観光客に受けているのだ。外国人旅行者に対する東京タワーの集客力は、インバウンド対策に力を入れる企業・団体とのコラボレーションにも結びつきつつある。