「銀の湯」と寺社散策

小腹を満たしたら、再び温泉へ。今度は、「金の湯」と対になっている公営の立ち寄り湯「有馬温泉 銀の湯」で「銀泉」を楽しもう。「銀の湯」はタンサン坂の途中にあり、湯は無色透明。秀吉が入った岩風呂をイメージしており、金泉とはまた違った趣がある。入泉料は550円で、定休日は第1・第3火曜日となっている。

「銀泉」を楽しめる「有馬温泉 銀の湯」

「銀の湯」を出て坂を下ると、温泉寺、極楽寺、念仏寺など、寺院が集まるエリアにさしかかる。付近には、薬師如来の導きで有馬を訪れたという僧・行基の像や、秀吉が造成した湯山御殿を保存した資料館「太閤の湯殿館」など見どころも多い。

風格ある「温泉寺」は、重要文化財の仏像なども所蔵している

極楽寺は聖徳太子によって建立。「太閤の湯殿館」は境内にある

念仏寺の前に立つ行基の像。素朴な表情に癒される

名物の十割そばに、温泉地ならではのお土産も

また、行基像のそばには、有馬の見どころを紹介する「有馬の工房」という施設がある。休憩スペースやトイレを備えるほか、地元の有馬小学校の元校長先生が始めたという人気のそば店「全寿庵ごんそば」もあり、名物の「たたら十割そば」(1,400円)を味わえる。

「たたら十割そば」は、栄養豊富な韃靼(だったん)そば粉と信州の石びきそば粉を使った十割そばだ。まずは何もつけずに味わい、次に兵庫県赤穂産の塩で、そして特製のだしで、と幾通りもの食べ方が楽しめる。

「たたら十割そば」(1,400円)は、コシのある食感と深い味わい

窓側の席なら庭が眺めながら食事ができる。贅沢な気分だ

さて、最後にオススメのお土産をご紹介しておこう。先ほど紹介した「炭酸泉源」を使って作る「炭酸せんべい」はもちろん、強めの炭酸がクセになる「有馬サイダー」もオススメ。レトロなラベルもポイントだ。「有馬サイダー」の価格は販売店により異なるが、およそ250円前後で手に入る。

「炭酸せんべい」は、有馬温泉の代表的な銘菓。パリッと軽い食感

強めの炭酸がクセになる「有馬サイダー」。レトロなラベルにも注目

行楽にもぴったりのこれからの時期、日帰りでも十分楽しめる有馬温泉へ足を運んでみてはどうだろう。

※記事中の情報は2016年4月取材時のもの。価格は税込

筆者プロフィール: 藤岡智子(ふじおか ともこ)

神戸市出身。フットワークの軽さを生かし、旬の情報を収集するとともに、関西を中心に取材・執筆活動を行っている。栄養士の資格を生かしたグルメ取材も多数。趣味は野球観戦。