――先日、新宿ゴールデン街の火事のニュースを受けて、よく行っていたとおっしゃっていましたが、夜の帯でニュース番組をやると、お店に飲みに行く機会も減ってしまい、寂しくないですか?

そうですね。でも家に帰ってから飲んだり、週末には行けるので。この生活はまだ2週間なので、気になってはないですけど…。

――これから夜の街が恋しくなってしまうかもしれない…。

私、食いしん坊で、ランチというものが大好きで、遠くにB級グルメを食べに行ったりするんです。おいしいお店ってランチしかやってないことが意外とあったりするので、ランチのいいお店が逆に行けるようになったと、ポジティブに発想を転換していきます(笑)

――キャスター就任に伴って生活がガラッと変わったと思うのですが、これを機に新しく始まった習慣などはありますか?

私、深夜アニメや深夜ラジオが好きなくせに、実は深夜に起きてることが今までほとんどなかったんです。今まで録画や録音でチェックしていたのが、リアルタイムで見たり聴いたりできるようになりました(笑)

――番組が終わって家に帰ったら、ちょうど深夜アニメがやってるんですね。

はい(笑)。あと、帰り道にradikoで「あ、生で『JUNK』(TBSラジオ)聴ける!」みたいなことがあって、楽しいです(笑)

――先日放送されたフジテレビのバラエティ特番で、市川さんが発表された「ラストが衝撃!切なすぎるアニメ」の内容が本当に衝撃で話題になっていましたが、そういう情報もこれからはより多く収集できるようになりますか?

アニメに関しては全部録画してチェックしていたので、情報の量は変わらないです(笑)

――『ユアタイム』は、タイトルに「ニュース」や「報道」という言葉が入っていないことなどからも、新しいニュース番組というのを感じます。他のニュース番組と違って、この番組の新しい部分は、どこだと思いますか?

やっぱりキャスティングですよね。プロのキャスターじゃない私や、コメンテーターにモーリーさんを起用して、他では聞けない意見があることだと思います。あと、基本的に出演者の人数が少ないので、そこも他との大きな違いだと思ってるんです。だってお天気キャスターもいなくて、私が読んでるんですよ(笑)。だから、自分の出番じゃない時に、ただ待っているという感じの人が、スタジオにいないんですよ。

――みんなが常に臨戦態勢なんですね。

そうですね。そういう態勢であるということも、こじんまりとしてる雰囲気も、私たちならではだなと思ってます。

――オープニングとエンディングの曲が毎日違うというのも、特徴ですよね。

いつまで続くか分かりませんが、楽しいですよね。私は好きです。

――市川さんも選曲されたのですか?

はい。一度やりましたが、毎日選んでいいなら毎日やりたいくらいです(笑)。プレイヤーを横に置いて、レコードをピックアップして「今日はこれです」と言って流し始めるみたいな(笑)。そういうのがやりたいです。

――ニュース番組でそれは斬新ですね! エンディングの「ユア"ハッピー"タイム」のコーナーで、ペットや赤ちゃんに癒やされた後に(笑)

そうですそうです(笑)。コレクションから引っ張り出して!

――それこそラジオDJですね(笑)

そうですね、ラジオでやれですね。ごめんなさい(笑)。でも、名盤でも新曲でもいいですけど、楽しそうじゃないですか。それを楽しみに見る人も意外と出てくるかもしれないと思うので、番組に提案したいです(笑)

――今後取材していきたいものや、場所はなんですか?

今、クラウドファンディングの募集サイトが面白くて、よく見てるんです。めちゃくちゃなものや、本当にあったらいいな!というアイデアがあったりするんですよ。最近見て面白かったのは、台風の風を使って電力を起こすというもの。いいアイデアですよね。こういうアイデアをどういう人がやろうとしているのか、実際に話を聞いてみたいですね。あと、人工知能が書いた小説が、「星新一賞」の一次審査を通過したというニュースも聞いて、こちらも興味があります。

――ハンバーグや、相撲、鉄道といった趣味の分野では?

あっ、そうですね(笑)。鉄道はもう何でも行きたいです! これはもうキャスターをやるということは、そのニュースがあれば行くという大前提で、スタッフが連れて行ってくれると思ってます(笑)。

――注目の鉄道スポットは?

今、地方では、観光資源として鉄道を利用してるじゃないですか。移動手段ではなくて、乗ることが目的のイベント列車を走らせて、その土地のご飯を出したり、地域の特色を出しているんです。これが地方創生の大きな力になると思っていまして、私は勝手に「テツノミクス」って呼んでるんですけど(笑)。あとは、京都の梅小路の鉄道博物館にも行きたいですね。

――「相撲オタク」の市川さんですが、番組でスポーツニュースに接するようになって、他のスポーツにも興味はわいてきましたか?(笑)

スポーツに興味というのは、本来はないですよ(笑)。でも、田中さんがすごく分かりやすくて、扱うスポーツも『すぽると!』の精神を受け継いでいることもあって、結構マニアックじゃないですか。マニアックであればあるほど、へぇーって思うので面白いなと思う要素が毎回あって、意外と楽しいなと思いますね。

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

『ユアタイム』は、どこのニュース番組よりも始まる時間が遅いので、最新のものが一番入ってくるというのも魅力ですし、内容は盛りだくさんなんですけど、空気はゆったりしてるので見やすく、距離感近めでやってるつもりです。

――夜遅いということもあって、市川さんの好きな深夜ラジオに近い部分もあるんですね。

そうですね。『ユアタイム』というタイトルを謳(うた)っているくらいなので、リラックスして見ていただければと思います。

■プロフィール
市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年名古屋生まれ。4歳でアメリカ・デトロイトに移り住む。14歳で帰国。
16歳でスカウトされ、『ViVi』(講談社)専属モデルとしてデビュー。その後、『25ans』のカバーモデルをへて『Sweet』『BAILA』『MAQUIA』など、多数の女性誌で活躍中。
2005年、コロンビア大学などに合格するも、日本に残ることを決意し、早稲田大学に入学。
音楽・読書・アニメ鑑賞・鉄道・相撲と趣味は幅広く、その博識ぶりから専門誌で連載を持つなど、さまざまな分野のカルチャーに精通している。