30代は"家"と"教育"が目安

30代の貯蓄テーマは「マイホーム購入資金」と「教育資金」。人生の三大支出といわれている費用の2つが30代に課せられたテーマです。マイホームは40歳前後で購入するとしても、無理なくローンを返済できるよう、頭金をしっかり準備しなければなりません。頭金は住宅価格の2割と諸費用を合わせて、住宅価格の3割の金額を目安にします。3,000万円の住宅であれば900万円が目安です。

一方、教育資金は親年齢が30代なら子供もまだまだ小さいので、すぐに必要となる資金ではないんです。子供の在学中も親が働いて収入がある場合がほとんどなので、よく聞く「子供一人当たり1,000万円」という平均教育費のすべてを30歳代で準備する必要もありません。

マイホーム購入資金や後々迫りくる老後資金準備等のことを考えると、できるだけ多くの貯蓄をこの年代でしたいもの。特に、結婚して共働きが可能な時期は家計も比較的ラクなので、夫または妻どちらかの収入をすべて貯蓄に回すとか、最低でも世帯収入の30%は貯蓄に回す努力をしたいですね。

40代から"老後資金"を蓄える

40代では、本格的に老後資金の準備を始めましょう。老後の生活スタイルや年金額の大小にもよりますが、リタイアまでに最低でも準備したい金額は公的年金支給開始までの無年金期間の生活費と公的年金の不足分です。

夫婦ふたり60歳でリタイアし、65歳から90歳までの公的年金の不足分を合わせえると、4,000万円や5,000万円という莫大な金額となります。退職金を充てることもできますが、公的年金の支給額の減額や、支給年齢の引き上げなどを考えると、40歳代から個人年金や401Kなどで自分年金対策をしておくことも大切です。

年代ごとの貯蓄テーマと基準額が分かったら、それに応じた貯め方も重要になります。日銀のマイナス金利政策で、銀行の預金商品はますます金利が低下傾向の現在。長期計画の資金準備なら、多少リスクを取っても投資商品などで"増やす"ことを考えてみるのもいいかもしれません。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

筆者プロフィール:武田明日香(たけだ あすか)
エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル!」「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人を送るための知識を伝えている。人生の"やりたい"が"できる"に変わるお金の教養スクール開講中!