Q. この先働き続けるうえで一番心配なことを教えて下さい

終身雇用制度は崩れ、「絶対」ということはなくなった現代の日本社会。働く人々にとって、不安や心配事は尽きないようだ。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、この先働き続けるうえで一番心配なことについて教えてもらった。

Q. この先働き続けるうえで一番心配なことを教えて下さい

■健康・体力面での不安
・「体がもつかどうか: 残業が多いから」(22歳女性/情報・IT/技術職)
・「健康: 体力の衰えを感じる」(25歳女性/運輸・倉庫/販売職・サービス系)
・「健康: 頭痛が持病化した」(28歳男性/電力・ガス・石油/技術職)
・「健康で働き続けられるかどうか: 健康診断の数値を見て、最近健康に自信がなくなってきたから」(50歳以上男性/団体・公益法人・官公庁/技術職)
・「このまま同じ仕事を続けられるのか: 体力的にも、精神的にも……60歳まで働けるイメージはもてない」(36歳女性/マスコミ・広告/クリエイティブ職)

■自分の能力について
・「自分のスキルがあげていけるか: やっぱり出世するうえでスキル面は大切なため」(25歳男性/情報・IT/技術職)
・「頭がついていかなさそう: プログラムは頭を使うのでそのうち頭が回らなくなるんじゃないかと思う」(28歳女性/ソフトウェア/技術職)
・「技術の進歩についていけるかどうか: 技術の進歩は早く、新しい技術を理解し利用できるようになれるかどうか不安」(33歳男性/情報・IT/技術職)
・「技術面で追いつけない: 加齢でついていけなくなりそう」(36歳女性/ソフトウェア/技術職)

■精神的にもたない
・「やりがいややる気を持って続けられるか: 今ちょっとやる気を失いかけているから」(28歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「仕事を続けられるかが心配です: 仕事の内容がつまらなくなってきたためです」(35歳男性/その他/事務系専門職)
・「本当にこの仕事でいいのか: やりがいがない」(27歳女性/食品・飲料/販売職・サービス系)
・「ストレス: これから責任も重くなったらますますストレスがかかるから」(29歳女性/金融・証券/営業職)

■お金の問題
・「生活できるのか: いまでも生活ぎりぎりなのに今よりもお給料がダウンしそうなので」(35歳女性/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「収入が下がること: これから子供にお金が掛かるので収入が下がると生活していけない」(50歳以上男性/自動車関連/事務系専門職)
・「ボーナスがでるか: 一時期でないときがあったから」(35歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)
・「貯金できるか: 貯まらない」(37歳女性/情報・IT/営業職)
・「退職金: たぶん少ないでしょう」(50歳以上女性/商社・卸/事務系専門職)
・「老後: お金がなさそう」(34歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)

■将来のこと
・「この会社で大丈夫なのかどうか: 尊敬できる人がいないので、この会社にいて大丈夫なのかと気になっている」(28歳男性/情報・IT/技術職)
・「順調に昇格、昇給できるかどうか: ポストが減っているし、財政状況も厳しいから」(24歳男性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「長く続くか、転職するのか: 将来に迷っているため」(23歳男性/団体・公益法人・官公庁/販売職・サービス系)
・「異動: 行きたくない部署に行くのが嫌だから」(26歳女性/生保・損保/専門職)
・「研究職をいつ退くか引き時を考える: 自分の能力が落ちてきているのもわかるし、新しくどんな仕事を始めればいいのか不安がある」(50歳以上男性/電機/技術職)
・「セミリタイアできるか: セミリタイアしたいので」(22歳男性/自動車関連/技術職)

■偉くなるのも……
・「だんだんと責任が増える事: 上司のようにうまくやっていけるか心配なので」(29歳女性/自動車関連/事務系専門職)
・「出世した際に、部下を引っ張っていけるか: 上に立つ以上、説得力が必要だから」(28歳男性/情報・IT/技術職)
・「上に立つのが苦手: 管理職になりたくないから」(30歳女性/医療・福祉/専門職)
・「責任有る仕事したくない、残業これ以上したくない: プライベートがこわされる」(25歳女性/医薬品・化粧品/技術職)
・「プライベートな時間が奪われること: 役職が上になればなるほど、休日などの時間が奪われてしまいそうで嫌だ」(30歳男性/情報・IT/技術職)

■解雇への危機感
・「働きたいときまで働き続けられるか: 正社員ではないので」(35歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「いつまで元気に働くことができるか心配: 契約職員なので、一年一年更新している……上司が変わると方針も変わりそうなので安心はできない」(41歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「どんどん業界が縮小している: 人員が余剰になってきているので、どこかで誰かが切られるだろうから」(36歳男性/機械・精密機器/営業職)
・「終身雇用できるのか: この会社で骨を埋められるのか疑問」(35歳男性/情報・IT/技術職)
・「ずっと働けるか: クビにされそう」(50歳以上男性/金融・証券/営業職)

■会社の先行き
・「事業所の存続: 部門閉鎖の連鎖」(47歳男性/医療・福祉/専門職)
・「倒産: 業績が悪いから」(26歳女性/学校・教育関連/専門職)
・「自分が定年までこの会社があるのかどうか、心配になる」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)
・「会社の先行き不安: 伸び代がないから」(29歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「先細りの産業である: 仕事があるか不安」(28歳男性/金属・鉄鋼・化学/技術職)
・「世界経済: 世界経済がどうなるかで金融や投資が影響を受けるから」(50歳以上男性/金融・証券/専門職)
・「将来このままの状況で推移できるのか、技術革新で衰退するのか: マーケット規模が徐々に縮小してるから」(37歳男性/金属・鉄鋼・化学/技術職)

■女性の尽きない悩み
・「結婚できるのかどうか: 社内に未婚の男性がいないし、会社と家の往復だけで出会いが一切ないから」(28歳女性/印刷・紙パルプ/秘書・アシスタント職)
・「結婚し出産した後も続けられるかどうか: 結婚や出産を機に仕事をやめる人が周りに多いから」(29歳女性/学校・教育関連/専門職)
・「産休、育休が取れるか: 前例があまりないから」(29歳女性/自動車関連/技術職)
・「子育てとの両立: 時間がなくていっぱいいっぱいの毎日だから」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「育児と仕事の両立: 保育園のうちはよいが、小学校に上がった時子供が一人になる時間が増える」(31歳女性/医薬品・化粧品/営業職)
・「旦那の転勤: 辞めることになるから」(33歳女性/アパレル・繊維/事務系専門職)
・「女性で昇進している人は少ないので、将来自分がどんな立ち位置になるのかが分からない: キャリアモデルのような人が周りにいないから」(34歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)

■総評
この先働き続けるうえで一番心配なこと、まずは「健康」「体力」面を挙げる意見から。50代が「健康に自信がなくなってきた」「あちこちが痛い」とぼやくのは想像に難くないが、20代30代でも「昔ほど体力がない」「無理が利かない」なんて声も。特に、長距離通勤や早朝出勤が多い人、重労働の人などは「年取ったらできない」と先行きに不安を感じているよう。IT・ソフトウェア関連など常に新しい技術を勉強しなければいけない業種の人たちからは、「新しい技術にいつまでついていけるか?」という不安も漏らされた。身体の老化だけでなく、計算・記憶能力や注意力などの衰えも心配なようだ。

メンタル面では、仕事への「やる気」「やりがい」「モチベーション」が持続するのか不安視する声、また現時点ですでに「仕事がつまらない」と感じている人もいた。心身ともにいい状態を保ちながら何十年も働き続けるには、やはり相当な努力が必要そうだ。

端的に「お金」「収入」の問題や「昇格」「出世」について不安視する意見もあった。「給料を減らされたら生活できない」「子供が大きくなったらきつい」と近い将来を不安視する声や、「出世できる?」「異動させられる?」「転職したほうがいい?」と懸念する声、さらに年配の人からは「セミリタイアができるか」「引き際を考えている」と、自分が思い描く理想の退職ができるか心配する声も上がっていた。

出世できるか心配する人がいる一方、「責任ばかり重くなる」「これ以上残業したくない」「プライベートを大切にしたい」からと出世を毛嫌いする人も少なからずいた。個人的な不安ばかりでなく、業界の伸びしろ、景気の悪化、社会情勢の様子など、大きな視点で見て心配になっている人も。みな最終的に「解雇されるのではないか」という不安がぬぐいきれないようだ。

女性はもっぱら「家庭と仕事の両立」という大テーマを抱えているようで、結婚・出産後も復帰できるのか、育児休暇はとれるのか、育児をしながら働けるのか、女性もキャリアを積めるのか、旦那の転勤はないのか……さまざまなライフステージで心配は尽きないよう。女性にとって働きやすい社会とはまだまだ言えない現代日本、こんな悩みが過去のものになることを願う。

調査時期: 2015年11月19日~12月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性135名 女性165名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート