ディズニー/ピクサー最新作『アーロと少年』(2016年3月12日公開)を引っさげ来日したピーター・ソーン監督が3日、「恐竜博2016」(3月8日~)の会場となる東京・上野の国立科学博物館を訪問。監督が会いたいと熱望していた主人公の恐竜アーロと同じアパトサウルスの骨格標本の前で、同博物館の真鍋真博士とスペシャル対談を行った。

アパトサウルスの骨格標本の前で記念撮影するピーター・ソーン監督(右)と真鍋真博士

『アーロと少年』は、恐竜たちが絶滅せずに進化を続け、文明と言葉を持つようになった地球を舞台に、弱虫の恐竜アーロと怖いもの知らずの少年スポットの友情と冒険を描いた物語。本作で長編アニメーション監督デビューを果たしたソーン監督は、真鍋博士が着ている恐竜が描かれたセーターを見て「博士のセーター大好きです!」と喜び、世界でも5本の指に入る完全に近い状態のアパトサウルスの骨格標本に「約80%が本物の標本を見るのは初めて。エキサイティング! ビューティフル!」と大興奮だった。

また、本作において「家族」を強く意識したといい、リサーチで多くの家族が農家や牧畜を営んでいる土地を訪れ、家族が力を合わせて生きている姿を見ながら「もし恐竜に家族がいたらどんな風に生き延びるのか考えた」と説明。自身についても「ニューヨークの町育ちで、両親が商店を営んでいて、家族全員で力を合わせて働いていた」と話し、「だから、アパトサウルスの家族も、力を合わせて家族として頑張っていたのではないかと物語を作っていった」と語った。

制作していた5年の間に2人の子供が生まれて親になり、自分と両親のことにも思いをはせ、その意味を考えたという監督。「仕事に励んでいたけれど、子供のこともしっかり理解している両親だった」と話し、「そういった思いのすべてがアーロと両親のシーンに込められている」と説明した。そして、アーロの父がアーロにホタルを見せるシーンを挙げ、「家族がいかにお互いにいろんなことを教え合える存在なのか、そういう思いを含めた」と伝えた。

真鍋博士が、展示されている18メートルのアパトサウルスの骨格標本について「まだ若者でアーロと同じくらいではないか」と説明すると、「うれしい」と感激。「恐竜博2016」で、貴重な赤ちゃん恐竜の全身骨格や、スピノサウルスとティラノサウルスの二大肉食恐竜の全身復元骨格が展示されるいう話にも、「エキサイティング!」などと興奮しながら熱心に耳を傾けていた。

アパトサウルスの骨格標本(頭は左!)

真鍋博士のセーターの恐竜に反応するソーン監督

博士が骨格標本について詳しく説明

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