JR南武線205系「ありがとう運転」が9日に実施され、記念ヘッドマークを掲げた205系の臨時列車が川崎~登戸間を走行した。2014年10月から始まったE233系への置換えが完了し、205系は南武線川崎~立川間から引退となる。

記念ヘッドマークを掲出した南武線205系の最終編成(ナハ46編成)。臨時列車として川崎~登戸間を走行した

同区間の205系は黄色・オレンジ色・ぶどう色の3色の帯を採用し、1989年から運行開始された。後に先頭車化改造車(1200番台)を含む編成も登場している。主力車両として209系とともに活躍してきたが、新たにE233系(8000番台)が35編成投入されることになり、205系は置換え対象に。一部編成はインドネシアへ譲渡された。最後まで残ったのは改造車を含む編成(ナハ46編成)で、1月9日をもって運行終了が決まったという。

「ありがとう運転」と題した今回の最終運転では、「南武線 ありがとう 205系」とデザインされた記念ヘッドマークを取り付け、臨時の快速として川崎~登戸間で運行されることに。運行時刻は川崎駅10時43分発・登戸駅11時8分着、途中停車駅は鹿島田駅・武蔵小杉駅・武蔵中原駅・武蔵新城駅・武蔵溝ノ口駅とされた。

臨時列車は約30分かけて川崎~登戸間を走行。車内は満員の様子で、川崎駅や登戸駅などの停車駅も混雑したという。最後の営業運転を終えた205系は回送列車となり、登戸駅から折り返して武蔵中原方面へ。沿線にも多くの鉄道ファンが駆けつけていた。

南武線川崎~立川間で活躍した205系(2014年撮影)

205系1200番台は中間付随車を先頭車化改造した車両。車体前面のデザインが従来の205系とは異なる(2014年撮影)

E233系8000番台。205系に代わり南武線の主力に

南武線川崎~立川間から205系が引退することを受け、川崎駅・尻手駅・武蔵小杉駅・武蔵中原駅・武蔵溝ノ口駅・登戸駅の6駅にて、1月31日まで205系の写真展示も行われている。

川崎駅では205系の写真や引退記念のポスターとともに、川崎駅長によるコメントも掲示されていた。南武線から引退した205系がインドネシアで活躍していることに関して、「みなさまに可愛がっていただいた南武線205系車両が、インドネシア・ジャカルタのみなさまのお役にたてることは、私たちにとっても、ちょっぴり誇らしくうれしく、南武線205系車両の活躍を応援する気持ちでいっぱいです」とのことだった。