厚生労働省は25日、「平成26年国民年金被保険者実態調査結果」の概要を公表した。調査対象は平成26年3月末現在における国民年金第1号被保険者1,805万4,000人のうち、任意加入被保険者・外国人・法定免除者・住所不明者・25歳以上の学生納付特例者・東日本大震災の福島県避難指定区域の人を除く第1号被保険者及びその属する世帯。郵送調査を6万2,001人、所得等調査を12万3,005人に対して実施した。

滞納理由は「保険料が高い」が最多

「国民年金第1号被保険者」とは、国民年金のみに加入している20歳~60歳の自営業者・学生などを指す。平成27年4月~28年4月までの1カ月あたりの保険料は1万5,590円。

「保険料納付状況」は、「納付者」が47.0%、「申請全額免除者」が15.7%、「学生納付特例者」が11.3%、「若年者納付猶予者」が2.9%だった。「1号期間滞納者」は23.1%で、4.3人に1人が滞納している。平成23年に実施した前回調査と比較すると、すべての年齢階級において滞納者の割合は減少している。年代別にみると、滞納率が最も高いのは30~34歳で32.6%だった。

「保険料納付状況」

「第1号被保険者の就業状況」は、「自営業主」が16.0%、「家族従業者」が7.6%、「常用雇用」が9.4%、「パート・アルバイト・臨時」が30.9%、「無職」が33.3%となった。

「第1号被保険者の属する世帯の総所得金額の分布」をみると、平均が412万円、中位数が255万円だった。また、世帯の総所得金額が100万円未満の者の割合は25.4%、うち所得なしの者の割合が11.1%となった。一方、所得が1,000万円以上の割合は7.5%だった。

「滞納者の世帯の総所得金額の分布」は平均が300万円、中位数が213万円となっており、低所得者の割合が納付者に比べ高くなっている。一方、世帯の総所得金額が1,000万円以上の者も2.6%いることがわかった。

「滞納者の世帯の総所得金額の分布」

「1号期間滞納者が国民年金保険料を納付しない理由」は、「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」が71.9%と最も高い。しかしながら、1号期間滞納者のうち「世帯の総所得金額が500万円以上1,000万円未満の者」の61.5%、「1,000万円以上の者」の48.8%が、「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」と回答した。

それ以外の理由としては、「年金制度の将来が不安・信用できない」が8.2%、「収める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れない」が5.5%、「うっかり忘れていた、あとでまとめて支払おうと思っていた」が4.0%、「厚生労働省・日本年金機構が信用できない」が3.4%、「これから保険料を収めても加入期間が短く、年金がもらえない」が2.8%、「既に年金を受け取る要件を満たしている」が1.1%だった。

「1号期間滞納者が国民年金保険料を納付しない理由」

「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」という回答を選んだ理由をみると、「元々収入が少ない、または不安定だったから」(56.8%)、「失業、事故などにより所得が低下したから」(19.5%)、「保険料より優先度の高い支出が多かったから」(19.1%)となった。