整体師のりょうです。腰痛というとお尻の真上のようなイメージがありますが、右側や左側を気にしたことがありますでしょうか? 腰部分にはお尻に近い部分もあれば、やや遠い上部分もあります。

以前にも書きましたが、腰と背中の境目は分かりにくいので、私たちが「腰」を考えるときは漠然と大きな範囲でとらえがちです。ただ、腰を「右側」「左側」「上側」「下側」と細かく分離して筋肉の動きを確認すると、自分で腰痛改善するときには役立ちます。ということで、今回は腰の右側・左側をストレッチしてみましょう!

簡単そうに見えるけど、実はしっかり効く!

では片側ずつ行っていきましょう。最初に右足を伸ばし、左足を曲げて座ってください。そして顔が足先を向くように腰を少しひねります。

顔が足先を向くように

20~30秒静止

大きく息を吸って、ゆっくり吐きながら身体を曲げていきます。この状態で20~30秒くらい静止しますが、呼吸は絶対に止めないよう注意してください。腰の左側が伸びていると感じていればOKです。ついでに足の後ろ側や脇なども伸びるかもしれません。一石二鳥、三鳥のストレッチです。

身体の硬い人は無理をせずに

身体の硬い人は、伸ばした右足の膝が曲がっていてもかまいません。むしろそのようなことはあまり気にせずに行った方が、腰のストレッチはうまくできるはずです。下の写真は身体の硬い人の場合で、右の膝が浮いているのがお分かりいただけると思います。

膝が浮いていてもOK

20~30秒静止

同様にゆっくり顔を足先に近づけますが、無理に曲げる必要はありません。左の腰が伸びていると感じたところまでで大丈夫です。

この状態で静止し、呼吸は絶対に止めないでください。じわ~っと伸びる筋肉を感じ取ることができればOKです。

ちょっとの角度変更で違うところへアプローチ

では次に、似たような形なのですが、少しアプローチする筋肉の場所が変わるストレッチをやってみましょう。先ほどと同じように、右足を伸ばして左足を曲げて座り、両手を大きく広げてみましょう。

両手を大きく回転させるような気持ちで、左腕を上へ、右腕を下へ動かしていきます。このとき、顔は正面を向けたままにしておいてください。ここが先ほどと大きく違う点です。

そのままゆっくり左腕を頭の後ろへ回していき、身体を右側へ倒していきます。右腕は左の太ももにひっかけるようにします。

顔は正面

ゆっくり倒します

耳を膝に近づけるイメージ

20~30秒静止

右耳が膝に付くような気持ちで倒していきましょう。顔は正面を向いたままです。倒せるところまで行きましたら20~30秒程度静止しますが、呼吸は絶対に止めないでください。

左の腰が伸びていると感じればOKです。先ほどのストレッチと伸びた箇所が違うことに気付きましたか? 脇の下や足の後ろ側など、一緒にいろんな筋肉もストレッチできる複合ストレッチです。複合といっても、意識次第で伸ばす筋肉を変えることが可能です。静止している間に、いろいろ想像してみてください。

ストレッチ中は絶対に呼吸を止めない

では身体の硬い人の場合を同じくやってみましょう。先ほどと考え方は同じで、右足を伸ばして座りますが、膝を曲げた状態でも構いません。両手を広げて少しずつ右側へ倒していきます。

膝が浮いていても大丈夫

右の耳が膝に近づくような気持ちで倒していきますが、無理に曲げる必要はありません。

ゆっくり倒します

膝は曲げたままでいいので、行けるところまで行ったら20~30秒静止しますが呼吸は止めないでくださいね。

20~30秒静止

腰の右側、左側と細かく意識すると腰痛改善が早くなる

今回の写真では、右足を伸ばし左足を曲げた状態で、左の腰のストレッチだけ紹介しました。足を変えて同様のストレッチを行ってくださいね。身体の柔らかい人でしたら、両足を開脚した状態から同様に身体を曲げてストレッチすることも可能です。できる人はチャレンジしてみてください。

今回は腰の右側と左側に関するストレッチをご紹介しました。ついでに伸びるところもあると思いますが、まずは腰の右左をしっかり意識して、ストレッチできていることを確認しながら行ってくださいね。

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計300万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。