DIY好きで自宅にインクジェットプリンターがあれば知っておきたい印刷のアイデア。クッキングシートには、表面にシリコンが塗布されていて、紙に液体 (肉汁やソース) が染み込まないようにできています。ここでは、この性質を利用して木工 (特に看板作りなど) に生かす方法をお伝えします。

クッキングシートを使う

用意するのは、シリコーンが使われているクッキングシート (この他にワックスペーパーを使う場合もあります)、A4用紙、マスキングテープ、カッター、ものさし、タオル、スチームアイロン。

また、転写データを作成するためのソフトもご用意ください。筆者はAdobe Illustratorを使用していますが、WordやPowerPointなどのOfficeアプリケーションでも作成できます。

最初にクッキングシートをA4用紙位の大きさに切り、マスキングテープで短辺側そろえてA4用紙とクッキングシートをとめます。ここでA4用紙を使うのは、薄いクッキングシートがプリンターの中で紙詰まりを起こすことを防ぐためです。

A4用紙を表にして、はみ出たクッキングシートをカッターと定規で切り落とします。

転写データは反転イメージを制作します

転写したいイメージは、制作後に左右または上下で反転させてください。これは、インクで印字された面をひっくり返して木材に転写するためです (印鑑のデザインと同じ……と考えるとイメージしやすいと思います)。

ここでは印刷データをどれくらいキレイに転写できるかを検証するため、インクジェットプリンターに搭載されいる印刷用の4原色、C (シアン)、M (マゼンタ)、Y (イエロー)、K (ブラック) で試しています。

印刷は、お手持ちのプリンターで試し刷りをしてからがいいでしょう。なお、用紙を入れる方向と面 (マスキングテープを貼った側から給紙されるようにすること)とクッキングシート側の面に印字するという点にも気を付けてください。

印刷後は手早く一発勝負で!

以下の写真は印字されたクッキングシートです。水分を吸収しない紙に印字しているので、多少のにじみなどはあると思います。ただ、木材に転写すれば結局かすれた感じに仕上がることになるので、気にせずに作業を進めます。

クッキングシートは、木材にのせやすいサイズにカットします。この時、印字された部分に触れないようにしましょう。

クッキングシートを木材にのせたら、マスキングテープでとめ、上からタオルをそっとかぶせます。

続いてスチームアイロンを最高温度に設定します。最初は真上から押し当てて、前後左右に押し当てながら動かして木材に文字を転写します。

これで転写完了です。

転写直後はインクがまだ半乾きですので触れないようにしましょう。

シアンとマゼンタはかなりはっきり転写できました。一方、イエローとブラックはうまく転写できませんでした。(イエローは木材の色に似ているせいかもしれません)。

印刷から転写までは、できるだけ早く作業し、インクがクッキングシート上で乾いてしまわないうちに転写するのがコツ。また、印刷設定 (用紙や印刷品質) を変更することで、さらにベターな仕上がりが実現できるかもしれません。

A4用紙とクッキングシートはいずれも安価ですが、同じように印字してもクッキングシートに吸水性がないため、プリンターから出てくる過程でかすれたりする現象は少なからず発生します。その点を考慮すると、一文字ずつ印字して転写していく方法が正解かもしれません。

なお転写後に完全に乾くと、こすってもそう簡単には色落ちはしないようですが、仕上げにクリア塗装するなどすれば安心ですね。

プリンターを使って、自分でデザインした文字を木材に転写する方法

執筆:Ulasam
手工芸、民族音楽を愛するギャラリー&ショップ店主。「モットーは創意工夫」ということで、日夜、DIYやハンドメイドの情報収集と実践に明け暮れる日々。実は調理師の資格も持ち、料理の腕前もかなりのもの。

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