関西の大手私鉄5社とヤマハは11月中旬から、駅構内・鉄道車内のアナウンスの内容をスマートフォンに表示するiOS用アプリ「おもてなしガイド」を活用する実証実験を開始する。

「関西5私鉄(阪神・阪急・京阪・近鉄・南海)×ヤマハ Sound UD化プロジェクト」として、各社の列車内と一部の駅で実証実験を実施

「おもてなしガイド」は、日本語で流れているアナウンスの内容を多言語の文字で確認できるアプリ。インターネット環境がなくても使用でき、日本語のわからない外国人や、耳の聞こえにくい高齢者なども視覚で案内情報を受け取ることができる。

今回の実証実験は、「関西5私鉄(阪神・阪急・京阪・近鉄・南海)×ヤマハ Sound UD化プロジェクト」の名称で、2016年3月31日まで約5カ月間にわたって実施される予定。各社の実験箇所は、阪神電気鉄道の神戸三宮駅、阪急電鉄の京都河原町駅・京とれいん車内、京阪電気鉄道の交野線または宇治線の車両内(1編成)、近鉄の大阪難波駅・「伊勢志摩ライナー」車内、南海電鉄の特急「ラピート」車内(1編成)となる。

一部の対象エリアでは駅員や車掌による肉声アナウンスを収集し、話し方や表現の特徴を分析。その分析をもとに、駅員・車掌が肉声で行う日本語アナウンスの内容をリアルタイムにスマートフォンに表示する機能や、日本語アナウンスの後に外国語のアナウンスを自動的に放送する機能の実装に向けた準備を行うとのこと。

この実証実験の結果をもとに、「おもてなしガイド」の使い勝手や利用者の行動パターンの分析を行い、ユーザーニーズの把握やアプリの機能の向上に生かすとしている。