JR北海道が2016年度の社員向けコンプライアンス教育の概要を発表した。今後、コンプライアンス意識の土台となる誇りや使命感に焦点を当てた教育も強化する考えを示した。

写真はキハ283系の特急「スーパーおおぞら」

JR北海道では、社員の不祥事や線路の検査データ改ざんなどの組織的不祥事が続いたため、昨年度から全社員・役員を対象にコンプライアンス教育を強化。この結果、「鉄道の安全に関するコンプライアンス違反」は昨年度の5件から、今年度は1件にとどまっている。

反面、寮での窃盗や拾得物の詐取(ねこばば)、未成年による飲酒・喫煙、会社に損害を与える金銭的不正など、社会人としてのモラルが問われる一般不祥事は今年度すでに5件発生。昨年度(6件)・一昨年度(5件)と比べても減少していないという。

こうした現状を踏まえ、新年度は「鉄道を守るプロであるJR北海道社員としての誇り」「プロフェッショナルとしての意識・使命感の醸成」を目的に社員教育を展開。各系統の社員が働く姿や仕事への思いを語る姿を収録したDVDを題材にディスカッションする場を全社員に設けるなど、新たな取組みを行う。運転士・車掌に対しても、乗務中に私用のスマートフォンを使用した不祥事があったことから、個人面談を含む徹底的な指導を行っていく。