JR北海道は9日、北海道新幹線で使用する保守用車などの導入状況について発表した。新幹線と在来線が共用走行する3線軌道となっている区間に対応した車両など、計23台を導入して万全の体制を期す。

「確認車」は新幹線運転区間(新青森~中小国信号場間・木古内~新函館北斗間)で使用される(写真はすべてJR北海道提供)

これまでに導入したおもな保守用車は、落失物の有無や設備の安全を確認する「確認車」6台、架線の状態を至近距離で検査する「高所作業車」4台、架線の張替え作業などに使用する「架線延線車」2台、3線軌道でも作業可能な「新幹線用除雪車」9台。導入費用の総額は21億6,000万円にのぼる。

今後さらに約23億円を投じ、スイス製のレール削正車1台とオーストリア製マルチプルタイタンパー1台を導入する予定。レール削正車は砥石でレール頭頂面を削り、走行時の騒音低減やレールの延命化を図るための車両。標準軌と狭軌の両方で使用できるタイプを導入するため、共用走行区間では3本のレールを同時に削ることができるという。

「架線延線車」(写真左)と「高所作業車」(同右)

マルチプルタイタンパーは、車両が繰り返し走行することで生じる道床のゆがみを突き固めることで直す車両。これについても、3線軌道の複雑な構造に対応する車両を導入することになる。レール削正車は2016年1月以降、マルチプルタイタンパーは同3月以降に導入される予定。その他、新幹線車両の検査や修繕の際、編成の分割によって自走できない車両を車両基地内で移動させるために用いる「入換動車」1台を約1億4,000万円で導入したとのこと。