札幌市交通局はこのほど、市電(路面電車)のループ化工事にともなうすすきの停留場の一時移設を、年内とされるループ化開業まで延長すると発表した。あわせて11月中旬から、ループ化開業に向けた習熟訓練運転を開始することも明らかにされた。

仮設の西4丁目停留所に停車中の新型低床車両「ポラリス」(2015年8月撮影)

札幌市電のループ化は、アルファベットの「C」に似たルートとなっている現在の路線の両端を延長してつなげ、環状化する工事。西4丁目停留所からすすきの停留所までの約400mに新たにレールを敷き、路面電車の循環走行を可能にする。

ループ化にともなう停留所改修工事のため、5月にはすすきの停留所、6月には西4丁目停留所が、それぞれ所定の位置より約100m西側に一時移設された。このうち、すすきの停留所は10月末頃までに元に戻すとしていたが、工事日程の遅れにより、完成までそのまま営業することになったという。西4丁目停留所は9月中旬から元の位置に戻っている。

開業に向けた習熟訓練運転は、11月11日から12月中旬にかけて実施。ループ化にともなう新設区間では、路面電車が歩道側を走行する札幌初のサイドリザベーション方式を採用するため、安全運行に必要な知識と技能の習得を目的に、10時頃から16時頃まで法令にもとづく訓練走行を行う。訓練時間帯は西4丁目停留所の乗車位置が変わるため、警備員や職員を配置して利用者の誘導を行うとのこと。