第28回東京国際映画祭(TIFF)が22日に開幕し、東京・六本木ヒルズアリーナで行われたレッドカーペットに『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』(2016年1月30日公開)で主演を務めた女優の竹内結子と橋本愛、中村義洋監督が登場した。

第28回東京国際映画祭のレッドカーペットに登場した竹内結子(左)と橋本愛

本作は、TIFFに3作品ノミネートされている"コンペティション"部門の1作品。第20回TIFFのオープニング作品『ミッドナイトイーグル』(2007年)以来、8年ぶりの参加となる竹内は、ランバンのダークネイビー地ワンショルダーロングドレスを身にまとい、昨年の『寄生獣』に引き続きの参加となった橋本もヴィクター&ロルフの黒いドレスを着て出席し、マスコミからの質問や観客からのサインリクエストに、にこやかに応じた。中村監督は黒のスーツに赤い蝶ネクタイで2人をエスコートし、両手に花状態。熱烈な歓迎を楽しんでいる様子だった。

竹内は、「台本を手にした時点で怖かったです(笑)」「読むまでにすごく時間がかかりました」と吐露。続けて、「試写を見て、目をそらしたシーンがいっぱいあった」とも打ち明けつつ「そこ(自身が目をそらした場面)が皆さんの目にどう映るのか楽しみです」と微笑んだ。竹内と初共演を果たした橋本は「怖いのですが、ミステリー要素も強く、竹内さんと一緒に不可解な事象をひもといていくという構成がとても面白い」とアピール。「撮影1日ごとに、近くの住人やお坊さん役の方など、色んな人に会いました。そういった出会いも面白かったです」と今までの仕事ではあまりなかった体験に刺激を受けたようだ。

中村監督は「原作がなかなかない形なので、映画もなかなかない形になるだろうと。相当怖くなるな、大丈夫かなと思いながら慎重に作りました」と人気ホラー小説の実写映画化にあたっての思いを告白。「普通に撮るとコメディになってしまうんですよ(笑)。なので、ギアを変えて撮りました」と舞台裏を語った。

映画は、「一生で一度しか使えないアイデア」を用いた、作家・小野不由美氏の本格ホラー小説『残穢』が原作。こちらは、読者から「あまりにも怖くて最後まで読めない」との声が上がるなど話題になり、第26回山本周五郎賞を受けた。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」という女子大生・久保(橋本愛)からの手紙をきっかけに、調査をはじめたミステリー作家の「私」(竹内)。調べを進めると、過去の住人たちが自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていたことがわかり、「私」たちは驚愕の真実を知ることになる。なお本作は25日、記者会見や映画祭内での正式上映が決定している。

(C)「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会