在宅勤務の社員との向き合い方
――今までで、これはもっとこうした方が良かったと思ったことは?
ミーティングはface to faceでのコミュニケーションが大事だと思っていますので、予定調整の難しさがあるとは思います。逆に、それ以外の課題は認識していないので、もっと在宅制度を活用してもらえるといいなと思います。
――上手く運用するコツはありますか
在宅勤務の人にも、周りの人にも、いかに業務に対しての高い意識を持ってもらえるかが大事だと思います。仮に、在宅業務を行う方に休みが多いケースがあったとしても、普段のメンバーとのコミュニケーションが上手くいっていれば、「在宅だから」と見られることはないと思います。逆に、普通に会社に来ているメンバーでも、休みの取り方が良くなければ、周囲から反発が出ることもあると思います。区別して考えるより、各メンバーそれぞれが集中できる環境をつくることが大事だと思います。
――そういう環境をつくるために大事なのは、やっぱり対話でしょうか?
そうですね。普段のコミュニケーションや、何故このような業務をやっているのか、サービスで実現したいことへの理解がメンバーそれぞれに腹落ちしているかどうかだと思います。
――在宅勤務にはどのようなプラス作用がありますか
何かあっても安心して復帰できるということが、モチベーションアップに寄与しているのではないかと思います。また、最近ニフティとして家庭に向けたサービスの提供を強化している部分もあるので、普段の生活の中でどういった課題があるのか、実感として持っている社員が沢山いることは、サービス作りにおいても大事だと思っています。
――社員の声を参考にした具体的なサービスはありますか?
2015年4月に『おたよりBOX』というプリント類をスマホで監理できるアプリを出しました。幼稚園や保育園の行事の予定は紙で配られるかと思います。普段、冷蔵庫に張っていたり、食卓に置いていたりするかと思うのですが、そういったプリント類をスマホで整理することができます。
『おたよりBOX』の、企画自体は男性社員が考案したものでした。当初は違う方向で考えていましたが、子持ちの女性社員の方と議論をしてダメ出しをもらい改良したサービスとなりました。リリース後は高い評価をいただいているアプリなので、普段子育てをしている社員の声を反映するのは凄く大事なことなのだと感じました。
働く場所の今後とは
――在宅勤務制度を今後もっと広げていくというようなことは?
これから間違いなく増えると思っています。今のところはいないですが、介護利用や、男性社員で必要になってくるケースも広がると考えています。今、全社で場所にとらわれずに働こうといったプロジェクトの話し合いも進んでいますね。
――色々なプロジェクトの動きが出ているのですね・・・!
どこで働くかといった話は、世間的にも話題ですよね。選択肢が多くある中で、一番身近な場所は自宅だと思うので、これから在宅勤務を重視していく必要があるのではないかと思います。
――ありがとうございました
まとめ
以前マイナビニュース編集部で取材した 日本マイクロソフトやクックパッドでも、在宅勤務制度を採用していた。こういった様々な事情を持つ人でも働きやすくなるサポートの手段として、働く場所をフレキシブルに対応する企業が増えていくのかもしれない。今回の取材で、働き方だけでなく、働く場所にも、企業が目を向けはじめていることを感じられた。