日本ヒューレット・パッカードのすごすぎる社員食堂

クックパッドが社員食堂にメニューを提供する…しかも充実したメニューで有名、あの半沢直樹のロケ地にもなった日本ヒューレット・パッカード(以下日本HP)の社食だという。試食会が開催されるというので、わくわくしながら伺った。

クックパッド上位メニューの中から更に投票で決定

特別メニューは4種類、11月5日~15日の期間に提供される。社員食堂なので、もちろん関係者以外の人間は入ることができないが、「今回はコラボレーション第1弾として、今後提供社を増やしていく予定」(クックパッド 広報)だという。

気になるメニューは、「里芋と秋鮭のグラタン」「秋鮭のムニエル~タルタルレモンソース」「かぼちゃの肉味噌ゴマ風味グラタン」「唐揚げ 梨の擦りおろし漬け」の4種類。「鮭」「梨」「秋刀魚」「かぼちゃ」「いちじく」といった秋の食材をベースにしたレシピの中での人気上位各7種、合計35種を選定したものから、更に日本HPの社員にアンケートを採り、決定した。

里芋と秋鮭のグラタン

秋鮭のムニエル~タルタルレモンソース

「里芋と秋鮭のグラタン」は、弾力のある里芋ソースがチーズや鮭と相まって濃厚な味わい。見た目は洋風だが、口に入れるとどこか和を感じるメニューだ。「秋鮭のムニエル~タルタルレモンソース」は、ボリュームあるタルタルソースが支持を受けたのか、男性票が多かったそう。一見重たそうなタルタルも、レモンソース仕立てになっているためさっぱりしつつも満足のいく食べごたえ。

かぼちゃの肉味噌ゴマ風味グラタン

唐揚げ 梨の擦りおろし漬け

ほぼ女性からの支持だったという「かぼちゃの肉味噌ゴマ風味グラタン」は、ほくほく甘めのかぼちゃと甘辛の肉味噌が絶妙に絡み合い、ゴマの香ばしさがきいた一品だ。「唐揚げ 梨の擦りおろし漬け」は、下処理時に梨に漬け込むことでやわらかくジューシーに仕上がり、かすかな梨の酸味が爽やかな後味となっていた。

おいしい家庭料理をオフィスにも届けよう!

料理レシピサイト「クックパッド」は20代~40代の女性が中心ユーザーで、ITソリューションを手掛ける日本HPとは、あまり関わりがなさそうに見えるが…。

「日々家族のためを考えて作られているおいしいレシピを、オフィスにも届けたいんです」

そう語るのは同社広報。社員食堂への提供を企画、オフィス・学校・病院などの給食事業大手のエームサービスに相談したところ、取り引きのある日本HPとのコラボレーションが決定したそうだ。日本HP広報の方も「最近は"社食がすごい会社"として有名になってきましたが、社食からでも弊社のことを知ってもらえたらうれしいです」と笑顔で語り、良い雰囲気で企画されていることが伝わってくる。

「社食がすごい会社」は本当にすごかった。

実際にその「すごい社食」を拝見させてもらった。本社8Fをまるまる使った食堂は11カ所の提供口を設け、内部席とテラス席を合わせて1,100席にも及ぶ広さ。入り口にあるデジタルサイネージでその日のメニューを確認、各々好きなものを取り、席に集まることが多いという。

入口のデジタルサイネージ。真ん中は吹き抜けとなり、開放感がある

「EVENT」スペースでは週替わりのスペシャルメニューを提供

「丼」「パスタ」「和食」「中華」「ラーメン」「うどん・そば」「カレー」「エスニック」など分類によって分かれる提供口のほかに、サイドメニューやカフェメニューも充実。「EVENT」スペースは、週2日在宅勤務が認められている同社社員の働き方にあわせ、食べ逃しのないよう、日替わりではなく週替わりでメニューを提供している。この日は営業社員が考案、ブレードサーバーをイメージした「ぶれーどん」だった。

ビュッフェではグラム売りでメニューを提供

ラーメンや丼ものを早く食べたいときはこちらで

別の店のようなおもてなしスペース

ビュッフェスペース、カウンタースペース、フルサービスで運んでくれるおもてなしスペースなど、1つの会社の食堂とは思えないほどのスペースがあり、お店を選ぶ感覚で食事を楽しめそう。

「社食がすごい会社」は本当にすごかった。

大ヒットドラマ「半沢直樹」のロケ地となったシーティングスペースは内定式・入社式でも使用。大型プロジェクター完備で、社内の様々な用途に対応ができる。窓際の席には電源やセキュリティワイヤーが用意されているが、これはフリーアドレス制の同社の働き方に合わせて、社員食堂でも仕事できるように設置されているとのこと。味けないオフィスでなく、こんな場所でなら仕事もはかどりそうだ。

コンセントとセキュリティワイヤー。かゆいところに手が届く

あの人のサインが…

テラス席からはスカイツリーを眺めながら食事できて、夏場はビアガーデンにも変身する。更に和洋の個室もあり、フルコースや懐石料理も注文可能で、宴会や役員の会合にもぴったり。更に更に歓送迎会の需要にあわせて、花束を手配することも可能! ひとつの食堂で、ここまでの機能があるとは…。

ビアガーデンにもなるというテラス席。実際はスカイツリーがかなり大きく見える

食器を乗せるだけで値段とカロリーが判明

とても社員食堂とは思えない掘りごたつの個室。四季をイメージした4部屋がある

食べ終わったら、食器を機械に乗せるだけで値段とカロリーが計算され、電子マネーで支払うというハイテクぶり。なかなか見ないほどの「すごい社食」だが、もちろんクックパッドのメニューも負けてはいない。残念ながら関係者でなければ中に入ることはできないが、いつか会社に提供される日を待とう。