目が痛い……その原因を解説

大の大人が泣き叫びたくなるような目の痛みもある

「朝起きたら目が痛む」「一日中デスクワークをしていたら、耐えがたい目の痛みに襲われた」などの経験がある人も少なくないだろう。ただ、一口に「目の痛み」と言っても、その原因はさまざまで、放置しておくと危険な疾病へとつながり恐れがある。

今回はあまきクリニック院長の味木幸医師に、「目の痛みに潜む病気」について伺ったので紹介しよう。

目の痛みには2種類ある

味木医師は目の痛みは「目の表面の痛み」と「目の奥の痛み」の2種類に大別できるとし、目の痛みを主訴とする患者には、まずどちらに近い痛みなのかを聞くと話す。

「私が診察する際は、目の表面がキリキリ、ヒリヒリ痛むような鋭くシャープな痛みなのか、目の奥の重たい痛みなのかを最初に聞きます。鋭い痛みの場合は目の表面を注意深く見ますし、重い痛みは『眼球の奥に炎症がないか』『眼圧に異常がないか』などを確認します」。

目の痛みは表面の痛みと目の奥の痛みに大別できる

さらに両方の痛みにおいて「目やにはあるのか」「見え方はどうなっているのか」「充血しているのか」の3項目をチェックし、「いつ・どこで・どのように痛みが出たのか」などのエピソードも聞きながら、何の病気かを探っていくという。 目の表面の痛みと目の奥の痛みで、それぞれ考えられる主だった原因をまとめたので参考にしてほしい。

目の表面の痛み

ごみなどの異物が入っている、目の表面に傷がついている、ドライアイ、逆さまつ毛、角膜上皮剥離(目の角膜がめくれた状態)、花粉アレルギーなど。


「泥酔状態で目を開けたまま熟睡しているうちに角膜がはがれて角膜上皮剥離になることがよくあります。また、近年の関東は秋にもスギ花粉が飛散していますので、アレルギー性の痛みも秋には増えてきます」。

目の奥の痛み

眼精疲労、虹彩炎、ブドウ膜炎、ものもらいなど。


「目の奥の痛みで一番多いのは眼精疲労ですね。目の異常がないことを確認してから患者さんに話を聞くと、睡眠不足や肩こり、ストレス、一日中のデスクワークなどが原因で起きるケースがよくあります」。

注意が必要な目の痛み

目の表面の痛みは、ごみやまつ毛などの混入に見られるように比較的軽微な症状が多い。その一方で、目の奥の痛みは何らかの重篤な病気とつながっている可能性も捨てきれない。目の奥の痛みに関連する疾病の中でも、注意が必要なものを味木医師に詳しく解説してもらった。

緑内障

眼球内の圧力(眼圧)が上がり、目の網膜の視神経層の束が侵されることで、視力低下や視野狭窄(きょうさく: すぼまって狭いこと)を起こす病気。突然眼圧が上がる急性の緑内障発作では、目の痛みに加えて頭痛や吐き気などの症状も起こり、数日で失明につながる可能性もある。


「慢性的な緑内障の場合は慢性的な痛みがあまりなく、あくまで急性発作として眼圧が何倍にも跳ね上がったときだけ痛みを感じます。急性の場合、目の痛さ以上に頭痛・吐き気がつらく、正直目の痛みどころではありません。場合によっては、発症から2、3日で失明します」。

副鼻腔炎

鼻腔(びくう)と隣接した骨内に作られた空洞部分である副鼻腔に炎症が起きるもので、慢性的なものは蓄膿(ちくのう)症と呼ばれる。目の下側が痛かったり、下を向くと重い痛みがあったりする。

「副鼻腔炎は、鼻水とは違うどろっとした感じのうみがのどの奥を下りていくという特徴があります。副鼻腔炎があるときは、風邪をひいた場合でも目が痛みます。風邪に伴う目の周りの痛みや目の奥の痛みの場合、原因は鼻の方にあるかもしれません」。

群発頭痛

眼球の入っているくぼみである眼窩(がんか)周辺から側頭部にかけて、短時間のキリキリと突き刺すような激しい痛みが出現する頭痛。痛みは1~2カ月間に集中して毎日起きる。目の奥がえぐられるような痛みが15分から3時間ほど続き、必ず頭の片側が痛む。目の充血や涙、鼻水を伴うケースもある。

「群発頭痛は働き盛りの40代男性に多く、夜中や早朝によく見られます。目が痛くて涙が出ますし、吐くこともあります。その痛みは、救急車を呼ばないと動けないほどです。また、群発頭痛はクセになりやすく、何度も耐えがたい痛みに襲われる人もいます」。

脳腫瘍

脳に腫瘍ができると目の奥に痛みを感じ、場合によっては吐くことも起こりうる。

目の痛みにはヒントがある

目が痛む理由は人それぞれだ。目に炎症を起こして痛みを訴える人もいれば、目に異常はなくても目の酷使が痛みにつながった人もいる。痛みの種類によっては、休息をとれば治る場合もあるし、異物を取り除くなどの処置が必要なケースもある。それだけに、患者自身も目に関する興味をもっと持ち、有事に備えておく必要性があると味木医師は訴える。

「目の痛みにもヒントはたくさんあって、答えが1個じゃないということがあります。今の医療は専門化しているので、例えば眼科なら目にまつわることしか診察できません。眼科で『異常なし』といわれたときに『じゃあ、ほかにどこが悪いのだろう』ということを思いついていただくためにも、一般の方にもいろいろな知識を学んでおいてほしいです」。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。