中国ショックに右往左往

8月25日の中国ショック以降、一時18,000円を下回った日経平均株価が徐々に回復していた矢先、9月1日の日経平均株価は前日比でマイナス724円となり、今年3番目の下落幅でした。

下落要因となったのは9月1日に発表された、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)です。8月のPMIは49.7と景気の良し悪しを判断する節目の50を下回りました。50を下回るのは6ヵ月ぶりで、2012年8月以来3年ぶりの低い水準です。

アジア市場の全面安を受けて、欧米市場でも株価が下落し、世界的な株安の原因となりました。

何故、とても重要?

PMIとは、「Purchasing Manager' s Index」の略で、日本や欧米、韓国などでも同様の指数が発表されています。

中国の場合、製造業3,000社の購買担当者を対象に新規受注、価格、購買数量などについてアンケートや聞き取り調査などを行い、各項目に一定のウエイトを掛けて算出されます。

景気の先行きを示す重要な経済指標の1つとして毎月発表されています。

特に、原材料や部品などを調達する役割の製造業の購買担当者は、取引先の動向、製品の需要状況や生産計画などを見極めたうえで仕入れを行うため、数ヵ月先の景気動向を敏感に映すといわれています。

景況感の目安となる50を上回れば景気は拡大、下回れば縮小を示します。

景気が良くなると考える人が多いほど、指数の数値は高くなり、逆に悪くなると思う人が増えれば数値は下がります。

先行するPMIとGDP成長率

景気動向に先行するPMIと中国のGDP成長率を見てみると、4-6月期のGDP成長率は前年同期比プラス7%でしたが、それ以降、PMIは低下傾向にあるため、7-9月のGDP成長率は4-6月期を下回る可能性も想定されます。

中国経済の減速が予想以上に長引いた場合には、商品市況や世界経済へのマイナスの影響が拡大する可能性もあります。今後の動向にも当分、目が離せません。

中国PMIとGDPの推移(月次、期間:2012年8月~2015年8月、GDPは四半期2015年4-6月)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。