――怖かったアクションはありましたか?
西川:屋根から飛び降りるシーンです。あれは怖かった! でも、普段なら屋根の上を走ったり、飛んだりなんでできませんから。貴重な体験ができました(笑)。貴重といえば、あのお城の石垣は国宝に指定されているそうです。
竹内:藤本(敏史)さん演じる殿さまが恐竜に姿を変えられたまま、天晴と昼間から酒飲んでるところとか、面白かった。あそこ、新橋のガード下(のお店)だよね?
西川:そうです。よくわかりましたね(笑)。
――『ドライブ』チームと『ニンニンジャー』チームが撮影所で会うことはあるのでしょうか?
西川:朝、撮影所に行く時とか、ロケの帰りなどで一緒になることはあります。でも、基本スケジュールが違いますから、現場ではあまり会話をすることは少ないかな。
竹内:西川くんには、彼にしか作り出せない独特な雰囲気があって、みんなにすごく愛されているのがわかります。『ドライブ』とも少し違って、家族感というものがあって。
西川:もともと、親戚が集まっている戦隊ですからね(笑)。『ニンニンジャー』の場合、現場ではみんながそれぞれ個人個人でワチャワチャしてる……みたいな雰囲気です。もちろん、撮影に入ればガラッと気持ちが切り替わりますが。みんなやるべきことがちゃんとできているというか、誰かがまとめる、というものでもない。でも、まとめなきゃいけないんですよね(笑)。
竹内:『ドライブ』チームは『ニンニンジャー』に比べると、年齢層が高めなのかな? 年上の片岡鶴太郎さん、吉井怜さん、浜野謙太さんたちが、年齢を感じさせない空気を作り出してくださるので、いい雰囲気を出していると思います。こちらもすごくバランスがよくて、何も言わなくても気持ちが集まるし、僕としてはみんなの胸を借りて自由に気持ちよく演技することができますね。
――『ドライブ』はTVシリーズの最終展開と並行しての映画だったと思いますが、テレビと映画とでテンションの違いなどはあったのでしょうか。
竹内:今回の映画のストーリーは本編とつながっていて、気持ちが入りやすかったです。TVシリーズがクライマックスを迎える直前に大きなドラマをやれたというのは、メンタル的にも、とてもいいモチベーションになりました。スケジュール的には、春の映画『仮面ライダー3号』の方が厳しかったのですが、気持ち的な部分で、今回の映画はかなりキツいものがありました。
やはり、進ノ介がベルトさんを「壊す」というのは、演じていても辛かった。気持ちが入れば入るほど……。このシーンを撮った翌日にテレビのほうの撮影がありましたが、直前になるまで立ち直ることができなかったくらいです。なぜ、進ノ介がベルトさんを壊そうとするのか――そこに至るまでの葛藤を観てもらえたらいいですね。
――先ほど西川さんもおっしゃっていましたが、映画では特に進ノ介とベルトさんとの心の交流が丁寧に、深く描かれていましたね。
竹内:撮影が始まって半年くらい過ぎたあたりから、もうベルトさんはただのベルトではなく、普通の人間だと思って演技をしています。そんなこともあって、人間の情みたいなものが一連のシーンにすごく出ていると思います。
西川:進ノ介がベルトさんを思って、涙を流すシーンには感動しました。
竹内:ありがとう。ここで「涙を出そう」と思ってやったシーンはひとつもなくて、ストーリーにそって芝居をしているうちに、自然と涙が出てきました。今回はかなり泣いている進ノ介ですが、涙を流すことに関して辛かったことはなかったですね。