不愉快な態度をとる人間がいると、そのまわりの人の気分を害するだけでなく、その不愉快な人間と直接関わった人と接触した第三者までも不愉快にさせることになる。
米フロリダ大学の研究者は、悪意ある不愉快な態度がまるで風邪のようにまわりに広がっていくことを立証した。つまり、不愉快の種があちこちにあると、風邪をひくとすぐに鼻がぐずつくのと同様、簡単に人の否定的な感情に取りつかれてしまうのだ。
不愉快な行為がまわりの人にどのような影響を及ぼすのか、学生を対象にいくつか実験を行った。その結果、なにかを交渉するとき、最初の交渉相手が無礼な人間だった人は、次の交渉相手にはそれを上回る無礼な態度をとるようになることが判明した。
また、別の実験では、あるセッションを進行する人が無礼な態度をとり、遅刻してきた参加者を部屋から追い出す。こうした不愉快な状況に居合わせた人は、そうでない人よりも"無神経"とか、"ずうずうしい"といった不愉快なことを連想させる言葉を特定するのが速いということがわかった。
最後の実験では、学生に地元の本屋で従業員の役をやってもらい、2人の従業員のやりとりのビデオを見た後で、顧客からの無礼なメール、中庸なメール、攻撃的なメールに返事をしてもらうというタスクを与えた。すると、不愉快な態度を目撃した学生ほど、無礼なメールに対して悪意をもった返信をする傾向があった。
これらの実験結果から、不愉快な態度は伝染し、否定的な作用はその後の他者への態度に影響を与えることがわかる。実験の状況はラボで学生にシミュレートしてもらったもので、この結果が必ずしも会社や社会での人々の行動にそのまま当てはまるわけではないだろうが、不愉快をまき散らす人間にはなるな、と自分に言い聞かせるのは決して悪いことではない。
カラパイア
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