東芝は21日、不適切会計問題の責任を取り、田中久雄社長、佐々木則夫副会長、西田厚聡相談役の歴代社長経験者3人を含む経営陣9人が同日付けで辞任したと発表した。後任の社長は室町正志会長が22日から暫定的に兼務する。

「ありとあらゆる手段を使って黒字化を」

同社は併せて、第三者委員会がまとめた調査報告書の全文を公表。それによると、佐々木前社長は、定例会議において「今回の改善チャレンジは、未達カンパニーがあると全社で予算未達になる。それなのに、自分達の提出値を守りますというだけ。・・・全くダメ。やりなおし」と発言していた。

西田元社長は、損益見込みの報告を受けて「こんな数字はずかしくて、(1月に)公表できない」などと述べたほか、「借金(キャリーオーバー残高)」の返済を猶予すればチャレンジを達成できる可能性があると聞いて「今期は少しくらい暴走してもいいので東芝の営業損益に貢献せよ」などと回答していた。

また田中社長は、カンパニー社長らに対して「テレビ事業の下記黒字化は弊職が公に宣言しているいわば公約です。ありとあらゆる手段を使って黒字化をやり遂げなければなりません」と伝えていたこともわかった。

同社は今後、新たな経営体制、新たなガバナンス体制の下、新たな企業風土を構築し、信頼回復を目指して全社一丸となって尽力していくとしている。