旅行で気を付けなくてはいけないことは?

夏期休暇に向けて旅行を計画している方も多いのではないでしょうか? 夏に旅行の予定がなくても、9月のシルバーウイーク、年末年始の旅行など早めに予約する「早割」でお得に旅をする方や、休暇が直前にならないと決まらないため、「直前割引」できる場所へ旅行するといった計画を立てている方もいらっしゃるのではないのでしょうか。どちらの場合も、お得に旅をする方法に変わりはありません。できる限り日程や予算に合わせて、お得に旅を楽しみたいものですよね。

旅行は楽しいものですが、気を付けなくてはいけないことが2つあります。1つめは、安全に気を付けること、2つめは財布のヒモを緩めすぎないことです。

まず「安全に気を付けること」ですが、旅行にはトラブルがつきもの。アクシデントに見舞われることもあります。万が一に備えて、海外旅行保険への加入をおすすめします。

ちなみにクレジットカードに、海外旅行保険が付帯していることがあります。適用の条件として、旅行代金の支払いにそのカードを利用する、という場合があるので、まずはご自身のカードの規約をチェックしてみましょう。ただ、治療補償の上限金額が決まっている場合も多く、十分にカバーできないケースもあります。

例えば、アメリカで盲腸の手術をして3日入院したケースで実際に海外旅行保険で支払われた保険金は240万円ほどでした。旅行先の国の制度などにもよりますが、不安な方は、各損害保険会社の旅行保険で補いましょう。インターネットで事前に加入すると、保険料が割引になるものもあります。

また、ほかにもクレジットカードやデビットカードに付いているショッピング保険というものもあります。ショッピング保険とは、そのカードを使ってお買い物をした後に、商品が壊れたり、盗難に遭った場合の損害を補償してくれるものです。例えば、Visaデビットカードでは、東京三菱UFJ-Visaデビット、りそなVisaデビットカード〈JMB〉などにショッピング保険が付帯しています。海外で購入したものが、壊れてしまったなんていうときにも頼りになります。保険の適応には条件があり、カード発行会社ごとに異なるので、確認しておきましょう。

「財布のヒモを緩めない」のに役立ってくれるカードとは?

2つめの「財布のヒモを緩めないこと」についてですが、旅行へ行くとつい気が大きくなってお買い物をしすぎてしまいがち。例えば、クレジットカードは、ホテルのデポジット(保証金)の代わりになったりと心強い味方でもあるので、上手に使いたいものですが、旅行後の請求金額を見て青ざめた経験をお持ちの方もいるのではないかと思います。

こうした使い過ぎを防ぐためには、あらかじめ決めた金額を両替して、その予算内でお買い物を楽しむことも計画性があって良いのですが、多額の現金の持ち歩きには盗難・紛失などのリスクが伴うので要注意!

トラベルジャーナルの調査によると、2012年の日本人海外旅行者の現金盗難・紛失被害総額は推計152億円とも言われ、現金を多めに持ち歩く日本人はスリなどに狙われやすいとも言えます。そして残念ながら現金の盗難は海外旅行傷害保険の補償の対象にはなりません。カメラやゴルフバッグなどの携行品の盗難の場合は、携行品損害の補償が対象となっていれば大丈夫です。

クレジットカードについてはすでに知っている方も多いかとは思いますが、先ほどから紹介しているデビットカードについてあまり聞き慣れない方もいるかも知れません。両カードの違いを簡単に説明すると、クレジットカードはカード会社が設定した利用限度額の範囲内で利用ができ、利用後約1~2カ月後にカード会社から請求される後払い方式。対してデビットカードは、使ったらすぐに指定の銀行口座から利用金額が引き落とされるというもので、利用上限額は口座の預金額になります。

そして利用方法は、どちらも同じように使え、Visaデビットカードの場合、世界中のVisa加盟店で利用できます。デビットカードは口座残高の範囲で"現金感覚で利用できる"ので、クレジットカードの使い過ぎが怖い方にはおすすめの支払い方法です。

このデビットカードが海外旅行でもおすすめである理由として、海外のATMで自分の預金口座から現地通貨を引き出せることが挙げられます。Visaデビットカードの場合、海外ATMの「Visa」もしくは「PLUS」のマークが付いたATMならどこでも使えます。

海外で多額の現金を持ち歩くのは危険ですから、極力支払いはデビットカードで行い、現金が必要になったらATMで引き出すというのが上級者。この方法でしたら、両替所に並んで時間と手間をかける必要もありませんし、口座残高を旅行中の予算にしておけば、使い過ぎの心配もなし!

デビットカードにはJALやANAのマイレージが貯まる「りそなVisaデビットカード〈JMB〉」や「スルガANAデビットカード」といったものもあります。上手に使って、マイルを貯めてもう一度旅行へなんてこともできちゃいそうです。

現金とクレジットカードの中間のような存在のデビットカードは日常のお買い物だけではなく、海外でも使えるので1枚持っていると便利です。

執筆者プロフィール : 丸山 晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。