東京楽天地は6月25日、東京都台東区の浅草再開発プロジェクトで現在建設中の「東京楽天地浅草ビル」が12月中旬にオープンするにあたり、同日にオープンする同館内の商業施設「まるごとにっぽん」の概要を発表した。

商業施設「まるごとにっぽん」外観イメージ

村おこし町おこしのメッカ

まるごとにっぽんは、「村おこし町おこしのメッカ」「風土巡礼」をコンセプトに、日本細部の地域資源を体感できる商業施設。同ビルの1~4階部分を占め、20の市町村と約50の地方事業者が出店する予定になっている。

出店する地方自治体や地方事業者の大半が、東京初出店となっており、大量生産が難しい地域特有の商品を販売。「地方事業の東京進出を後押しして、後継者不足の解消や事業拡大のきっかけを与える。そんな村おこし町おこしのメッカになりたい」と同施設を運営する、まるごとにっぽん取締役社長の小笠原功氏は言う。

株式会社まるごとにっぽん取締役社長の小笠原功氏

「県や大きな市が自分から出店するアンテナショップとは違います。まるごとにっぽんのテナントは、自分たちの力だけでは東京に出店できないが、なんとか進出しようと頑張っている市町村が中心になっています。1年ごとにテナントを変えて、多くの自治体に挑戦してもらいたい」と同氏は話した。

全4フロアで「にっぽんの暮らし」を体感

1~4階全てのフロアを巡ると、日本を旅したように"にっぽんの暮らし"が体感できるというのが、二つ目のコンセプトである風土巡礼である。各階にはそれぞれテーマをもち、それにあった業者が出店する。

1階は、「にっぽんの食」をテーマにしており、各地の特産物や、魚、肉などの生鮮を取りそろえてた店が集まる予定。2階では、「にっぽんの叡智(えいち)」をテーマにした地方発の生活用品を販売する。

1階「にっぽんの食」イメージ

2階「にっぽんの叡智(えいち)」イメージ

「にっぽんの絆」をテーマにした3階では、地域の情報発信や文化体験ができる。20の自治体がブースを出店する「『Event space』おすすめふるさと」では、地域と食に特化したイベントをトータルプロデュースする47PLANNINGと協力し、プロジェクターを使って各地の見どころを演出する。

「『Event space』おすすめふるさと」イメージ

「『Cafe』M/N」では、地域コミュニティの拠点作りを手がけているgood morningsが運営・協力し、地方の食材や調理法を生かした期間限定オリジナルメニューを提供。そして、フードコーディネーターの育成も行っているJFCSが協力した「『Cooking studio』おいしいのつくりかた」では、地域独自の食材や調味料を使用して、郷土料理作りが体験できる。

その他、イベントスペース「『Work shop』みんなでたいけん」、浅草の町並みを楽しめる「『Open terrace』わくわくおそと」でも、季節やそのときのイベントに合わせた企画が予定されているとのこと。また、4階は「にっぽんの風土」をテーマに、旅先で楽しむような地方料理を提供する店が並ぶフードゾーンになっている。

4階「にっぽんの風土」イメージ

浅草六区ににぎわいを取り戻す

東京楽天地浅草ビルは、地上13階、地下2階からなる複合ビルで、まるごとにっぽんの他に2つの企業が参画している。1つは5~13階に「リッチモンドホテル プレミア浅草インターナショナル」を開業するアールエヌティーホテルズ。同社が運営する「リッチモンドホテル」初の「インターナショナル」ブランドとなる今回は、世界中全ての利用者にやさしいホテルづくりを目指し、ムスリムの利用者のために、礼拝用のマットやハラーム食の提供なども予定している。

地下には、正栄プロジェクトがアミューズメント施設「パチンコホール」を開業する。同社にとって東京初出店となる今回、浅草の町並みに合わせ、店内のデザインに和を取り入れる。同社代表取締役の美山正広氏は「外国人観光客にパチンコの文化を知ってもらうだけでなく、地域の憩いの場になれるようなアミューズメント施設になることを目指します」と話した。

右から東京楽天地取締役社長の山田啓三氏、アールエヌティーホテルズ代表取締役の成田鉄政氏、正栄プロジェクト代表取締役の美山正広氏、まるごとにっぽん取締役社長の小笠原功氏

"東京の人がまだ知らない地方の魅力"をぎゅっと詰め込んだこの東京楽天地浅草ビルは、12月中旬にオープンを予定している。11月にはまるごとにっぽんで展開する20の市町村やテナントを発表する見通しとなっており、新たな展開が決まり次第、随時発表していくという。