演出家の宮本亜門がこのほど、都内で行われたクラシカ・ジャパンのオリジナル番組『クラシカ・音楽人<びと>』の収録に参加した。

クラシカ・ジャパンのオリジナル番組『クラシカ・音楽人<びと>』の収録に参加した宮本亜門
(c)CLASSICA JAPAN/Rikimaru Hotta

5月にスタートした同番組は、クラシック音楽に関わる“音楽人”の素顔に迫るインタビュー番組。東京二期会オペラ『魔笛』を演出する宮本亜門 に焦点を当てた7月4日の初回 放送では、演出を手掛ける宮本が、インタビューを通してオペラ演出や舞台裏のエピソードなどを語っている。

『魔笛』は、モーツァルトが生涯最後に作曲したファンタジー・オペラ。2013年、宮本は同作で、オーストリア・リンツ州立劇場におけるヨーロッパ初オペラ 演出を果たしている。オファー時を、「最初はお断りしていました。でもこれは貴重な機会であるし、良い勉強になると思って引き受けた」と振り返った宮本は、「演出家にとって興味をそそられる作品なので、いつかやりたいと思っていた」と当時の心境を明かした。

"テレビゲームの中に入っていく家族"をテーマに、プロジェクションマッピングを用いた演出に挑んだ宮本だが、「最初は反応が薄くて(笑)みんな戸惑ってい ました」と述懐。現地の舞台技術者と「追り」の位置について揉めたことを明かし、 「演出助手に 相談したら、『だいぶ強く怒鳴れ!』とアドバイス通りにやってみたら次の日『迫り』がセンターになっていました 」と苦笑いしながら、「街の人が温かく、チケットもほぼ完売でうれしかった」と反響の喜びを語った。

また、『魔笛』の魅力について、「構成が実に見事。登場人物たちのリズム感は、現代のどんな漫才よりも面白い」と話した宮本。7月の東京公演を前に、「モーツァルトは含みを持った終わり方が多いけど、今回はハッピーエンドにしたかった。笑いながら、楽しんで見て欲しい。色んなオペラがあっていいと思う」と胸を張ってアピールしていた。