――そんな「タイムカプセル」ですが、かなり凝ったジャケットになっています

林原「これは私の25年を身にまとった衣装になっていて、今回収録されている30曲のモチーフが入っているんですよ。パンダとか虹とか。なので、これはこのキャラかな? みたいに探していただく楽しさがあると思います。そして、一部はだけているのは、今後ここに何がつくかしら? みたいな感じです」

あらためて「タイムカプセル」のジャケットイメージ

――撮影はかなり大変だったのではないでしょうか?

林原「本当に大変でした(笑)。パニエを三重にして、そこにドレスのような布をつけて、そこに入り込んで……みたいな感じなんですけど、着たら最後、ほとんど動けません。なんとなく今の時代って、音楽はダウンロードみたいに、手軽だし、便利じゃないですか。それはそれで問題ないのですが、私たちの場合は、発売日にお店で買ったり、パッケージを収集したり、そういうところに価値があった世代なので、そういう人たちに驚いてほしかった。"こう来たか、林原めぐみ"って思ってほしくて、それを目指した結果がこのジャケットです」

――林原さんのアルバムのジャケットにしてはかなり凝っていますよね

林原「どちらかというと私はナチュラル指向で、わりとラフな感じが好きなんですけど、やると決めたら振り切ったほうが面白いじゃないですか。特に今回はキャラアルバムなので、私もひとつのキャラクターになってみた感じです」

――さて、今回「再起動」というキャッチがついていますが、林原さん自身、どのあたりまでの展開を考えていらっしゃいますか?

林原「最終地点はオリジナルフルアルバムが出せればと思っていますが、別に寝ていたわけでも、起動していなかったわけでもないんですよ。特に依頼もなかったので、そのままやりすごしていただけで……。それも悪くないと思ってはいたんですけど(笑)」

――6月20日・21日に行われる「KING SUPER LIVE 2015」にも出演なさいますよね

林原「こればっかりは逃げ切れませんでした(笑)」

――そういったライブのお話もたくさんあると思うのですが……

林原「あまり自分のフィールドはそこだと思ってないんですよ。よほどの事情でもないかぎり、今後もないと思います」

――人前で歌うのが嫌いというわけではないですよね?

林原「結局、スタジオのマイクが好きなんですよ。25年も歌って、こんなにアルバムも出していて、どうかとも思うのですが、やはりアフレコそのものに重きを置いています。あそこは歌手の人が立つ場所だから、ちょっとプロレスラーの役を演じたからといって、バックドロップもできない私がプロレスのリングに立つのは違うかな……とか。レギュラーも、抱えているキャラクターもいるので、そうそうは立てないです」

――それでは最後に、今後の活動も含めて、読者の方へのメッセージをお願いします

林原「正直なところ、今後の活動については、いろいろ決まっているところもありますが、私自身としてどうして行きたいかというところではノープランです。まずはこのアルバムの出方を見て、皆さんの受け止め方を見て、あらためて考えていきたいと思っています。このアルバムを出すきっかけとなった気持ちのベースには、アラサー少女だったりアラフィフ少年の人たち、かつて私を好きだった人たちは今、何を聴いているのかなって思ったところなんです。かつてぴあに電話をしていた人は、そこにつぎ込んでいた情熱を今どこに向けているのか。持て余しているエネルギーがどこかに蔓延しているような気がしています。今の時代にムダとも思えるエネルギーの使い道がもう一度あってもいいんじゃないか。最初からネットがあった人には伝わらないかもしれませんが、そんな平成の子たちの中にも、親指ひとつではどうにもならないようなことにちょっと目を向けてみるきっかけになればいいと思っていますし、私自身も、それに対してどういうアプローチが正解かを探していきたいと思っています」

――どうもありがとうございました