日本で食べられている母国料理ってどう?

海外で寿司屋などの日本食レストランで、日本にないメニューや味付けにびっくりすることもあるだろう。その感覚は外国人にしても同じなのかもしれない。日本にもイタリアンやフレンチ、韓国料理屋など、世界各国の料理を提供するお店が軒を連ねているが、そうしたお店の味をその国の出身者はどう感じているのだろうか。そこで今回、日本在住の外国人20人に、日本で食べられている母国の料理でびっくりしたことを聞いてみた。

具・アレンジが違ってびっくり

・「ピザ。初めてツナとコーンがのったピザを見た時はとても驚いた。そして、それ以上に価格にびっくり! アメリカではピザはお金がない学生たちでも気軽に食べられるものだが、日本では倍以上の値段でとても違う」(アメリカ/26歳/男性)

・「パスタ。ナポリタンや和風パスタはイタリアにない」(イタリア/38歳/女性)

・「手巻き寿司にチーズをのせることは意外だった」(ウクライナ/42歳/女性)

・「ブラジルでは豆は必ず塩などで味付けされたものを食べる。豆を甘くして食べる発想はないので、日本の和菓子等にビックリした。また、ブラジルでは豆の煮込みは主食としてほぼ毎日食べている」(ブラジル/30歳/女性)

・「本来の意味や食材と関係なく、想像力豊かなところがたまにある。例えば、骨がないカルビや酢を入れたキムチなど」(韓国/48歳/男性)

・「日本人の口に合うようにアレンジされていると思うのでたまに甘いと感じる料理がある」(中国/28歳/女性)

・「日本向けになっていて、スペインのとは全然違う」(スペイン/32歳/女性)

量が少ない・高くてびっくり

・「日本のフレンチは肉が高いと思った。そして、量がかなり少ない。でも、焼き方・見せ方などはフランスの普通のお店よりいい」(フランス/30歳/男性)

・「トルコと似ている食べ物が少ないので比べにくいが、日本のは量が少ないと思う」(トルコ/39歳/男性)

・「価格が倍以上するのでびっくりした。もともと日本にはドイツ料理のレストランがほとんどないが」(ドイツ/39歳/男性)

・「日本ではケバブが食べられているが、価格が高い割には量が少なく、あまりおいしくない」(シリア/35歳/男性)

定義が違っていてびっくり

・「日本でカナダ料理を食べたことがないが、母国料理を洋食としてとらえるなら、日本発祥のオムライスも洋食になっていることにびっくりした。また、パスタの麺のほとんどがスパゲッティで、具が少ないことにびっくりした」(カナダ/31歳/男性)

・「日本のマレーシア料理のお店では、春巻やトムヤムクンなど違う国のメニューが並んでいることがある。また、価格が現地より高く、味もおいしくないような気がする。ほかにも、量が少なくて具材が違う」(マレーシア/36歳/女性)

・「フィッシュ&チップスを頼んだら箸が出てきた」(イギリス/30歳/男性)

なんだか薄い

・「味が薄い。インドネシアにある辛さがない」(インドネシア/37歳/男性)

・「味が薄めになっていて、辛くなくておいしくない」(タイ/30歳/女性)

・「日本で食べるフォーは味が薄く香りも薄い。でも、見た目はいい」(ベトナム/31歳/女性)

食べたことがない

・「自分で作る以外、海外でフィンランド料理を食べことがないが、日本のフィンランド料理のレストランは日本風になっていると思う」(フィンランド/27歳/男性)

・「オランダのレストランがあまりないので、選択肢が少ない」(オランダ/44歳/女性)

・「残念ながら日本ではミャンマー料理を食べたことがない」(ミャンマー/32歳/女性)

総評

ツナとコーンがのったピザは日本人にとってはよく見かけるものだろうが、外国人から見ると魚を具にしたピザは驚きのよう。また、和風パスタのように日本の食材をアレンジした洋食も確かに多い。そうした意味では、ナポリタンやオムライスのように日本発祥とされている料理を洋食と定義することに疑問を感じるのもうなづける。

量が少なかったり高かったりするのは、海外の日本食レストランに対する日本人の評価と同じところだろう。もっと手軽に食べられる料理を提供するお店でも、食材の手に入りにくさで価格が上がってしまうことは否めない。

興味深かったのは、東南アジア出身者が総じて「味が薄い」と言っているところ。特に辛さに対しては、日本人の口に合わせてマイルドになっているお店が多いようなので、本場の辛さを知りたい人はぜひ現地で味わい、辛さで舌をヒリヒリさせてきていただきたい。

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