女優の秋吉久美子と映画評論家の樋口尚文が3日、都内でブルーレイ『昭和枯れすすき』(発売中 3,564円税込 発売元:松竹)の発売記念イベントを行った。

ブルーレイ『昭和枯れすすき』の発売記念イベントを行った秋吉久美子

黒澤明の松竹時代に助監督を務め、"日本一の助監督"と称されたサスペンス映画の巨匠、野村芳太郎監督と新藤兼人(脚本)がタッグを組んだ本作は、身よりもない兄と妹の愛憎劇を描いた名作映画。ヒロインは秋吉久美子が演じ、ヒロインの兄には高橋英樹が演じた。

秋吉は、同映画が製作された1975年を振り返り、「空き時間に電車で横須賀まで行って、地元の子に大船の撮影所まで送ってもらい、警備員のおじさんに叱られてました(笑)」と話すなど、当時から"天然キャラ"だったことを告白。本作については「よくやったと思いますね。この映画は青春映画でニュアンスの薄いものかと思われますが、一コマ一コマ計算されてます。昔の映画ってしっかりしているし、野村さんにしろ新藤さんにしろ日本のアイデンティティーにすごくこだわっていましたね」としみじみ語った。

秋吉らしく、話題は本作以外の話に及び、昨年死去した高倉健さんの話題となって「健さんがありとあらゆる役者さんとスタッフさんに贈り物をしたんですけど、『私はもらってない!』という話をしたら2週間後に『僕がすごくきめ細やかでみんなにそういうことをして上げたと喋ってくれた』と思ったんですって。その後に収録が終わったら陶磁器を送ってくれました」と懐かしむ場面も。また、当時は先輩・後輩の関係が厳しく、神経性脱毛症を発症する女優が多かったというが、秋吉は「意地悪された覚えがないです。もし意地悪されたら言い返すし溜め込んだりしないので。みんな我慢してたんじゃないんですか?」と話していた。