古今東西、"髪はオンナの命"とは言われているが、インドネシア・バリ島ももちろん例外ではない。むしろ、現在でもバリ島での美人の代名詞は、「ロング」「ブラック」「ストレート」の3要素を備えた美しい髪の持ち主なのだという。スーパーマーケットをのぞいてみると、その種類の多さに驚くほどだ。現地で人気グッズを購入し、その"髪ワザ"を試してみた。

このカプセルたちが髪をしっとりつやつやに

国内外で人気爆発中のカプセル

バリ島の人気スーパーマーケット「ココ・スーパーマーケット」に行ってみると、レジ横とまではいかないが、入り口近くの特設コーナーにヘアケアグッズが置いてある。日本でもバリ通またはヘアケア通に大人気ブレイク中の「ellips(エリプス)」を早速発見! ビタミン配合のヘアオイルで、小さなカプセルに入っている。1シート6個入りでエリプスは8,500ルピア=約80円と、日本の約5分の1ほどの値段で手に入るのだ(1カプセル換算約15円、日本だと約60円が相場)。

「ellips(エリプス)」は1シート6個入りで8,500ルピア=約80円

洗髪後、タオルドライをした髪の毛先に塗りこむタイプで、洗い流さないため毛髪内部に浸透するのが人気の秘訣。ドライヤーなどの熱や紫外線からも髪を守る効果があるので、熱い日差しの南国だからこその効果が期待できそうだ。実際に使ってみた感じは、しっとりふんわりといったところ。パサつきがちだった髪にコシが出てきて、ヘアオイルならではのしっとり感も重たくならない程度でちょうどいい。

基本要素として、ビタミンA、C、EとプロビタミンB5とモロッコオイルを配合。訪れたスーパーマーケットには4種類あり、紫=カラーした髪用、黒=黒髪のツヤを保つキャンドルナッツ(ククイ)とアロエベラ配合、オレンジ=高麗人参とハニーオイルで髪に活力、ピンク=ダメージが強い髪にはホホバオイル入り、となっている。なお、エリプスのホームページを見てみるとイエローもあるようだ。加えて、洗い流すタイプのヘアマスクもある(6,200ルピア=約60円)。

ヘアマスクのエリプスは6,200ルピア=約60円

また、見た目が似ている「MIRANDA(ミランダ)」なる商品も。全種にモロッコのアルガンオイル配合で、サイズはエリプスよりちょっとだけ大きく値段も少し高めだ(1万500ルピア=約100円)。使用感はエリプスとあまり変わらないような気がしたが、かんきつ系の香料入り。

ミランダは、ビタミンとアルガンオイルが輝きと滑らかさと柔らかさを与え、乾燥&ダメージヘアにぴったりだとか。こちらは3種類あり、グリーン=しっとり感を出すアロエベラ入り、ブラック=髪にツヤを出すエクリプタ・アルバ(タカサブロウ)入り、イエロー=髪を強くするキャンドルナッツ入り、となっている。

香り付きの「MIRANDA(ミランダ)」は1シート6個入りで1万500ルピア=約100円

ジャワ王室から受け継がれる頭皮トリートメント

次は「クリームバス」にトライ。クリームバスはバリエステで最も人気なメニューのひとつで、ミルク風呂のような名前だが、実はヘッドマッサージの名称だ。頭皮の汚れを除去し、頭のツボを刺激し血行を促進することで、頭皮だけでなく髪の毛にも栄養を与えてくれる。エステメニューなどでは、ヘッドマッサージだけではなく頭皮・髪から肩・腕までかけてマッサージするトリートメントが施される。

そもそもクリームバスは、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」が元となっているという。ヒンズー教とともにインドからバリ島へと伝承され、ジャワ島などの固有の植物療法が加わり、17世紀のジャワ王室で女性の髪の美しさを保つために行われてきたのだそうだ。

クリーム・バス用の乳剤もスーパーマーケットで簡単に安く手に入る。今回見つけたのは人気シリーズ「good(グッド)」の2種類。シャンプー後、軽く水気を取って、頭皮に満遍なく塗りこんでマッサージする。もし時間があれば、そのままホットタオルを頭に巻いて15分くらい小休止。

その後洗い流すだけなのだが、太く広がり気味だった筆者の髪は、髪の太さが半分になったかと思うほどやわらかくしっとりに。それも、ベタッとするわけではなく、ほどよくふんわりさも残したままなのだ。頭皮もかなりスッキリし、同時に顔のむくみも取れたようで、心持ちフェイスラインもほっそりしたような。ともに1万7,500ルピア=約170円である。

「good」のKEMIRI(キャンドルナッツ)は髪を黒く輝かせ、GINSENG(高麗人参)は毛根を刺激するという。ともに1万7,500ルピア=約170円

男女に人気のヘアトニックで毛根を刺激

日本でヘアトニックといえば男性のものというイメージが強いが、"髪の国"インドネシアでは女性も愛用する一品だ。インドネシアの美容院では、老若男女問わずドライヤーの時にヘアトニックを使用されることがよくあるという。

こちらもグッドシリーズを発見したのでハーバル(ハーブ系)を選んで使ってみた。強い匂いもなく、頭皮になじんだ瞬間はちょっとスーッとする。メントールのような強い刺激成分が入っていない分、男女ともに長く使えそうだ。髪を洗ってタオルドライした後でもよし、乾いた髪の時でもよし。こちらも丁寧にマッサージすれば毛根が刺激され、抜け毛やふけ予防にもいいとか。価格は2万9,900ルピア=約290円。

goodのヘアトニックは100%自然素材でパッケージもおしゃれ。2万9,900ルピア=約290円

インドネシア伝統の生薬入りヘアオイル

インドネシアの伝統療法に「ジャムウ」というものがある。この考え方のもと、自然の生薬を利用しているコスメやボディ・ヘアケア商品もインドネシアにはたくさんある。本格的なナチュラルコスメで人気の「UTAMA SPICE(ウタマ・スパイス)」では、ジャムウ入りのボディスクラブやヘアオイルも発見。

ヘアオイルはバージンココナツ油のほか、スパイスも入っているので生薬独特の匂いがする。その分、100%自然のものなので、髪や頭皮の弱い人にもオススメだ。価格は6万2,810ルピア=約600円。

「UTAMA SPICE(ウタマ・スパイス)」のヘアオイル(左端)は6万2,810ルピア=約600円

エリプスのように日本でも購入できるものもあるが、価格は現地で購入した方が断然安い! ちょっとトランクの荷物に余裕をもってバリ島を訪れ、友達へのお土産はもちろん自分の愛用品として、ヘアケアグッズたちも日本に連れて帰っていただければと思う。

※1ルピア=約0.0096円で換算。記事中の情報は2015年3月取材時のもので、訪れた「ココ・スーパーマーケット」での取り扱い商品と価格