――最近は、俳優としてドラマや映画に出演されたり、映画吹き替えに挑戦されたり、お笑い芸人としてのコントや漫才とは違う演技も注目を集めています。この騎士の衣装も、『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』(公開中)で声を演じられた役に合わせたものですね。

「島ぜんぶでおーきな祭 第7回沖縄国際映画祭」で渡辺直美とレッドカーペットを歩いた徳井義実

実写吹き替えは難しかったです。人の口に合わせるっていうことは、普段やっていることと真逆なので。僕らは自分で考えて、自分の言葉にして、自分でしゃべるっていうことをやっているので、人の考えたセリフ、そして、人の口に合わせるっていうのは難しかったですね。でも、自分だって気付かなかったという声もいただいて、それはうれしかったです。見ている人が徳井のセリフの時だけ気になってしまうと全体に影響してしまうので。

――ドラマなどにも俳優として出演されていますが、お笑い芸人としてのコントや漫才の経験が生きていると感じますか?

それは思いますね。コントや漫才など、劇場でいろいろなキャラクターを演じてきたことの延長だと思います。

――妄想漫才、妄想コントと言われ、本当にさまざまなキャラクターを演じられていますよね

"妄想系"って言われるんですけど、全然そんなつもりないんです。みなさんにそう言っていただけるので、受け取り方は人それぞれなのでいいんですけど、自分としては普通にネタを書いているつもりなんです(笑)。たぶん、ちょっと変わった人を演じる漫才をすることが多いので、妄想の世界に飛んでいるみたいに見えるんでしょうね。ボケらしいボケを出して、ツッコミらしいツッコミをするという漫才とはちょっと違って、少し変わっている人がずっとしゃべっているのを福田君がツッコんだりするスタイルなので、妄想に見えるのかなと。

――最近は、バラエティー番組の司会としてもご活躍されています

司会っていうのはすごい不得意で、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)とかは、一応MCっていうことになってますけど、あれは後藤(輝基)がしっかりやってくれていて、僕はMCであってMCでないというか、毎回いるゲストみたいなもんなんです(笑)。僕1人で司会をする時もありますけど、そうなると進行にいっぱいいっぱいでおもしろくならないことが多くて。やっぱり僕は司会をする人間ではないんでしょうね。でも、人がたくさんいてそれを回すという司会ではなく、好きなことや興味のあることを少人数でスタジオで語り合うっていうような番組の司会だったらやりたいです。

――今後、特に力を入れていきたいと思っていることはありますか?

とりあえず、何かしらを作っていきたいですね。舞台で脚本書くのか、ライブを作るのか、それが何なのかまだわからないんですけど、何か作っていきたいなと。

――出演する側ではなく、作る側ですか?

両方でもいいんですけど、出なくてもいいです。

――作る側に興味を持ったきっかけは何ですか?

バラエティの現場にパッて行って、瞬発力でパッと仕事をして終わるっていうのも楽しんですけど、ちゃんと準備してみんなで作り上げていくという作業もすごく好きなんです。ここ数年はテレビの仕事とかでいっぱいいっぱいで、そういうことが手薄になっていたので、これからちゃんと力を入れていきたいなと。

――具体的に始めていることはありますか?

そこに直結するかわからないんですけど、バンドを趣味でやっています。それもゆくゆくはいろんな要素を入れて楽しめるものにしたいんです。コントとか芝居的なものも入れた総合的なライブにしたくて。なので、このバンド活動も何かの一歩といえば一歩なのかなと思っています。

――なるほど! 今後、作り手としての徳井さんに注目ですね。

まだまだ具体的ではないですけどね。でも、ここ何年か、満足感、達成感を全然得られてなかったので、今年はそれを得たいです。何かしら1個でも「あっOK!」っていうものを。うちのコンビのライブなのかわからないですけど、自分が制作から関わって作ったものが世に出るという満足感、達成感を味わいたいですね。