北陸新幹線の開通によって、一気に脚光を浴びた北陸地方。豊かな魚場に恵まれた日本海に面しており、港から揚がったばかりの新鮮な魚介類をリーズナブルにいただけると評判だ。そればかりか、回転寿司のレベルが高いことでも知られているのをご存じだろうか。

能登の珠洲塩をつけて食べる「塩レモンづくし」(金沢まいもん寿司、1,000円)

東京都ならカウンター越しに恐る恐る注文するような高級食材も、当たり前のようにレーンを回っているというから驚きだ。手ごろな価格で提供されているとはいえ、クオリティーはきちんとキープしている。その中でも、地元の人からも愛される回転寿司の名店を紹介しよう。

水揚げされたばかりの鮮魚がレーンに!

1軒目に紹介するのは、石川県・金沢を中心に展開している「金沢まいもん寿司」。毎日朝と夜、七尾港や富山湾、氷見港など、北陸の港から鮮魚を仕入れているという。

金沢まいもん寿司 金沢駅西本店

特に金沢駅西本店をはじめとした金沢市内の店では、金沢港から30分前に水揚げされたばかりの鮮魚がレーンに並ぶことも珍しくなく、観光客からも人気を集めているのだ。

ネタがいいのはもちろんだが、これをさばき、寿司を握るのは熟練の技を持つ職人たちというのもポイントだ。食べ方にも趣向を凝らしており、例えばノドグロやバイ貝、生タコがのった「塩レモンづくし」(1,000円)は、白身や貝の繊細な甘みや旨みを存分に引き立てるために、石川県・能登の珠洲塩を用意している。

また、北陸産の「がすえび」(370円)もぜひおさえておきたい。甘エビよりもトロリとした甘みがある人気メニューだ。足が速く、鮮度が肝となるネタのため、北陸以外で出回ることはめったにないという。禁漁になる7、8月は入荷しないので、今のうちに味わっておきたいところである。

北陸産の「がすえび」(370円)

北陸の幸を盛り合わせで堪能

続いて紹介するのは、石川県と富山県に店を構える「すし食いねぇ!」だ。メディアでも度々紹介され、食通たちをうならせている。

すし食いねぇ! 県庁前店

氷見港、金沢港、橋立港より直仕入れすることによって、鮮度の高いネタと手ごろな価格を実現。ネタ、酢飯、ワサビのバランスは、味にこだわる寿司職人や割烹職人たちが季節や天候に応じて調節しているので、常にベストなおいしさを堪能することができる。

「のどぐろ」(550円)のような高級魚や季節ネタ、レアなネタも惜しみなくレーンに回す太っ腹さが魅力だが、一度にいろいろなネタを味わいたいならセット盛りがオススメ。「北陸厳選盛り合せ(7貫)」(1,000円)をはじめ、地魚や旬のネタが3~5貫セットになったメニューも用意されている。これをベースに好きなネタを選べば、おなかも心も満たされるはず。

「北陸厳選盛り合せ(7貫)」(1,000円)

「のどぐろ」(550円)もリーズナブルに

富山湾でとれたばかりの魚を寿司に

最後に紹介するのは、日本有数の魚場として知られる、富山県・氷見漁港場外市場のひみ番屋街にある「氷見前寿し」である。富山湾のすぐそばに位置する絶好のロケーションで、氷見前浜でとれたばかりの魚をその場で握ってくれるのだ。

氷見漁港場外市場 ひみ番屋街「氷見前寿し」

これからゴールデンウィークまでの期間は、富山湾の春の味覚「ホタルイカ」の寿司を味わうことができる。「生ホタルイカ」(380円)はもちろんのこと、「ボイルホタルイカ」(280円)など、様々な味を楽しめるのが魅力だ。

おつまみとして「ホタルイカ沖漬け」(380円)も用意されているので、北陸の銘酒とともにそのうまさを心ゆくまでかみしめたい。

「生ホタルイカ」(380円)が味わえるのは産地ならでは

「ボイルホタルイカ」(280円)もオススメ

「ホタルイカ沖漬け」(380円)は日本酒とともにいただきたい

希少な地魚を回転寿司でリーズナブルに提供できるのは、豊かな海の幸に恵まれた北陸だからこそ。北陸新幹線の開通にともないアクセスがよくなったおかげで、貴重な魚を気軽に食べることができるようになったことに感謝したい。

※記事中の情報・価格は2015年3月取材時のもの。価格は全て税別