インド人シェフが作るスパイシーなインドカレーや、ホテルシェフたちがコース料理や見た目も華やかスイーツを振る舞う。ここはどこかというと日本の大学の学食である。今日の学食は貧乏学生だけのものではなく、一般の人も楽しめる場所になりつつあるようだ。もちろん、学食は海外にもある。

中でも米国では毎年、「栄養」「アクセス」「サービス」「教育」「イベント」「環境」などを指標にして、全米学食ランキング「ベストカレッジフード」(Daily Meal主催)が実施されている。そこで今回、2012年に4位、2013年に5位と2年連続で全米ベスト5に選ばれたロサンゼルスにある名門校UCLA(University of California Los Angeles)へ、米国の学食とはいかなるものかを探りに訪れてみることにした。

名門校UCLAの学食では、こんな料理が12.75ドルで食べ放題!

アジアンもフレンチもみんな食べ放題

UCLAの広大なキャンパスにはたくさんの学食が存在するが、中でも人気が高いのが「De Neve(デ・ネブ)」だ。ここは朝食・昼食・夕食と、全てがビュッフェスタイルとなっている。もちろん、時間帯によってメニューはそれぞれ異なる。

無料ロッカーに荷物を預ける

デ・ネブに入るとまず、無料ロッカーに荷物を預ける。中に入ればスイーツのショーケースが目に入り、そして、ビュッフェスタイルになったオープンキッチンコーナーがジャンル別に散らばっている。それを取り囲むように座席が置かれているので、中央の座席からはどの料理にもアクセスしやすいというわけだ。

オープンキッチンコーナーを随所に設置

目にも鮮やかな野菜コーナー

野菜が不足しがちな学生たちも重宝するのが野菜コーナー。ドレッシングも20種類近くそろっており、中にはラズベリービネガーなど日本では見かけないものも。いろいろ盛り合わせてオリジナルサラダが作れるので、食べ飽きることもなさそうだ。

なんといっても素晴らしいのは、目の前で作ってサーブしてくれるものが多いところ。ハンバーガーやピザといった米国の国民的フードのほかにも、タイカレーやフレンチスタイルの魚のソテーのようにワールドワイドな料理もそろっている。

目の前で作ってくれる。こちらはタイカレー

米国の国民的フードも

ドリンクバーは学食内のいたる所にあり、それぞれのコーナーで微妙にジュースの種類が違う。中にはクリームたっぷりのコーヒーフラペチーノのカフェマシンも。ドリンクのほか、スープも常に数種類用意されているため、スープの飲み比べも楽しめる。

レベルが高いスイーツは必食!!

もちろんお楽しみのデザートも種類はいろいろ。「本当にここは学食? 」と思ってしまうほど多彩なケーキたちがショーケースに並んでいる。甘酸っぱいイチゴとサクサク食感のタルトが絶妙にマッチしたストロベリーパイなど、スイーツ専門店に並んでいてもおかしくないレベルの味わい。

米国では総じて甘口のスイーツが多いが、こちらのスイーツは甘さを控えて作られているのも、ヘルシーで好感がもてる。また、米国ではあまりソフトクリームをみることがないのだが、ここにはソフトクリームも用意されている。チョコのM&Mやマシュマロで自分好みにトッピングできるのも楽しい。

豊富な種類がそろうスイーツはクオリティーも高い

サックサクのストロベリーパイ

ソフトクリームはトッピングも楽しめる

テーブルに並べると乗り切れないほど食べて、かつ、おかわりをいくらしても、ひとり12.75ドルだ。キャンパス内の寮生だと9.50ドルになる。毎日通いたくなる"神"学食とはまさにこのこと。学食らしく、最後は自分でお片づけ。最後になってやっと、「ここは学食だった」と思い出させてくれる。

料理の豊富さやヘルシーさ、ボリューム、そして価格。UCLAの学食は、「ベストカレッジフード」のランキングイン常連校なのも納得の学食だった。日本の学食に比べるとおしゃれさは欠けるかもしれないが、米国ならではの多国籍料理とボリューム、そして味のコスパはピカ一である。

UCLAの学食は学生だけでなく誰でも、もちろん旅行者も気軽に利用できる。ロサンゼルスを訪れた際はぜひ、全米ベスト5の学食をおなかいっぱい楽しんでいただければと思う。

※記事中の情報・価格は2015年3月取材時のもの

筆者プロフィール: 佐々木 綾(ささき あや)

フリーライター。ニューヨークやパリにも居住歴あり、現在はロサンゼルスから発信している。ファッションとフード業界に精通しており、お酒好き! 実際に足を運びたくなるような取材を心掛けている。