日本労働組合総連合会はこのほど、「働く女性の妊娠に関する調査」の結果を発表した。同調査は1月26日~2月2日、ネットエイジアリサーチがインターネット上で実施。同社のモバイルモニター会員であり、「働きながら妊娠をした経験がある」20~49歳の女性1,000名を対象としている。

「妊娠中の1日の労働時間はどのくらいの場合が多かったか」

まず「妊娠中の1日の労働時間」について聞いたところ、「約8時間」が43.7%で最多となった。一方で、「9時間以上」も16.6%いることがわかった。

「9時間以上」と回答した割合は、正社員・正職員では26.2%と4人に1人以上となっている。また、出産まで問題なく順調だった人では13.3%なのに対し、早産になった人では24.6%、流産してしまった人では20.0%とやや高い結果となった。

「妊娠中の働き方・働く様子」(複数回答)

次に「妊娠中の勤務時間帯」を聞くと、「基本的に日中時間帯の勤務」と回答した人が86.3%で最多となった。一方で、「夜勤(22時以降の勤務)や深夜残業、当直などの泊まり勤務があった」人も7.9%いることが判明した。

仕事内容としては、「立ったまま仕事をすることが多かった」が37.3%、「重い物を持ち上げる仕事が多かった」が14.3%と上位にあがっている。また、「ノルマや締め切りがあるなどストレスの強い仕事があった」と回答した人も10.1%を占めた。

「妊娠中の働き方・働く様子」(妊娠時のトラブル別)

妊娠時のトラブル別にみると、早産になった人では「重い物を持ち上げる仕事が多かった」が22.6%(出産まで問題なく順調だった人では12.2%)、流産してしまった人では「立ったまま仕事をすることが多かった」が45.3%(出産まで問題なく順調だった人では35.3%)が多い。いずれも出産まで順調だった人よりも10ポイント以上高くなっている。

また、「ノルマや締め切りがあるなどストレスの強い仕事があった」と回答した割合は、早産になった人では17.0%、流産してしまった人では16.4%。出産まで問題なく順調だった人(7.0%)と比べ、早産になった人は10.0ポイント、流産してしまった人は9.4ポイント高くなり、より肉体的・精神的に負担がかかっていた可能性がうかがえる。

「妊娠時に、職場から勤務上の配慮は受けられたか」

雇用主は、妊娠中の女性従業員が求めた場合、業務の軽減や勤務時間の変更、病院に行く時間を取れるようにするなど勤務上の配慮をしなければならないことが法律で定められている。そこで、「妊娠時に職場から受けた勤務上の配慮」についても聞いた。

「妊娠時に、職場から勤務上の配慮は受けられたか」を聞いたところ、「十分に受けられた」と回答した人は45.2%と半数以下となった。一方で、19.3%が「一切受けられなかった」と回答している。

「妊娠時に受けられた、職場からの勤務上の配慮」(複数回答 / 妊娠時に、職場からの勤務上の配慮を受けられた人対象)

そこで、配慮を受けられた人(「一切受けられなかった」と回答した人以外)に、その内容を聞いたところ、「病院に行く時間の確保」(40.3%)が最も多かった。次いで、「勤務時間の短縮、残業の免除」(38.4%)、「重量物を扱う仕事の免除」(38.0%)があがっている。

一方で、配慮が一切受けられなかった人に「そのことについて、ストレスを感じたか」を聞いたところ、48.6%の人がストレスを「強く感じた / 感じた」と回答した。

「妊娠時に、職場で、妊娠・出産やそれにともなう体調不良をきっかけにした不利益な取り扱いや嫌がらせを受けたか」(複数回答)

「職場で、妊娠・出産やそれにともなう体調不良をきっかけにした不利益な取り扱いや嫌がらせを受けたか」との質問には、79.1%の人が「受けなかった」と回答。しかし、「口頭などで嫌がらせを受けた」(9.8%)、「解雇、契約更新をしないなどの対応をされた」(7.8%)、「降格、重要な業務を任せてもらえない、意に反して担当業務を変更する、などの対応をされた」(3.3%)との回答も見られた。

そこで、不利益な取り扱いや嫌がらせを受けた人に「それに対しストレスを感じたか」を聞くと、「強く感じた / 感じた」と回答した人は83.7%にのぼった。