SBIモーゲージと総合情報サイト「All About」を運営するオールアバウトは29日、共同で実施した住宅ローンの借り換えに関する調査の結果を発表した。それによると、現在、史上最低金利を更新中の「フラット35」の認知度はわずか2割程度という結果となった。

同調査は、2014年12月15日、1都3県(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県)在住で2001年~2012年以内にローンを組んで住宅を購入した30代~50代の男女671名を対象にインターネットリサーチで行われ、671件の有効回答を得た。

1月5日、住宅金融支援機構が長期固定型の住宅ローン「フラット35」が6ヶ月連続史上最低金利を更新していることを発表した。こうした事実を知っているかどうかを、住宅購入年別に聞いてみると、2001年~2008年までの購入者で「知っている」と回答した人はわずか2割程度しかおらず、「フラット35」自体を知らないという人も1割程度いることが明らかになった。

2001年~2012年以内にローンを組んで住宅を購入した人に対し、借り入れた住宅ローンの種類を聞いたところ、2001年~2004年に購入した人は「全期間固定金利型」が多く、2009年~2012年に購入した人は半数以上が「変動金利型」と回答。さらに、借り入れ先となる金融機関の種類を聞くと、どの年の購入者も1位は「都市銀行」と回答していたが、次に多かったのが2001年~2002年及び2011年~2012年購入者のみ「住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)」で、他の年代に購入した人は「地方銀行」となっていた。

また、住宅を購入してからこれまでに、住宅ローンの借り換えをしたことがあるかどうかを聞いたところ、半数以上が「借り換えを行ったことはない」という、"借り換え未経験者"であることがわかった。その理由については、「借り換えをする理由が特にないから」(47.1%)が一番多く、次に「手数料がかかるから」(32.9%)、「手続きが面倒そうだから」(31.2%)と続いた。

住宅ローンの借り換え経験別で今後借り換えを検討しているかどうかを聞いたところ、1度行ったことがある人の49%、2度~3度行ったことがある人の70%以上が「現在検討している」「いずれは検討したい」と回答している中で、未経験者の44.3%が「借り換えはしないと思う」、20.8%が「検討したことがない/分からない」と住宅ローンの借り換えについて消極的な姿勢であることが明らかになった。

そこで、借り換え未経験者に対し、どのようなきっかけがあれば実際に借り換えを行うのか、また、借り換えの検討を始めるのかを聞いたところ、"現在借り換えを検討している/いずれは検討したい"と考えている人の40%以上が「借り換え先の適用金利の低下」により借り換えを実施するとし、"借り換えを検討したことがない/分からない"と回答した人も34%が「借り換え先の適用金利の低下」により借り換えの検討を開始するとしていた。しかし、「借り換えはしないと思う」人の半数以上(54.4%)が「今後借り換えをする気がない/検討しない」と考えていることもわかった。

一方で、住宅ローンの借り換え経験者に対し、初めて住宅ローンを組んでから1回目の借り換えまでの期間を聞いたところ、2001年~2004年に購入した人の半数以上が「5年以上(およそ2006年~2009年以降)」と回答。2005年~2006年に購入した人も「5年以上(およそ2010年~2010年以降)」が37.5%、2007年~2008年購入者も46.4%と、1回目の借り換えは住宅ローンを組んでから5年以上経ってから行うという人が多かった。住宅ローンを借り換えた理由は、「借り換える前の適用金利が、借り換えることで下がったから」(61.9%)で一番多く、次に「借り換えをすると返済額が少なくなったから」(33.1%)、「より早く完済したいから」(21.5%)といった、返済の金額や期間を減らすためという理由が挙げられた。