終戦の舞台裏を描いたノンフィクション『日本のいちばん長い日 決定版』(文藝春秋)が、戦後70年の節目を迎える来年8月に向けて映画化されることが決定し、主演の役所広司をはじめ、本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努といった主演級の俳優陣が出演することが8日、明らかになった。

映画『日本のいちばん長い日』の出演者(上段左から本木雅弘、役所広司、山崎努、下段左から松坂桃李、堤真一) (C)2015「日本のいちばん長い日」製作委員会

映画『日本のいちばん長い日』は、日本の降伏が決まってから国民に告げられるまでの舞台裏と、日本の未来を信じて身を挺して闘った人々の人間模様を描いた物語。昭和史研究の第一人者で作家の半藤一利氏の原作に加え、昭和天皇と共に戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿を描いた『聖断』(著・半藤一利)の内容も盛り込まれる。メガホンを取るのは、『金融腐蝕列島<呪縛>』(1999年)、『クライマーズ・ハイ』(2008年)などで知られ、来年5月には『駆込み女と駆出し男』の公開が控えている原田眞人監督。

役所が演じるのは、主人公の阿南惟幾陸軍大臣。陸軍全体が断固として戦争完遂を支持する中、そのトップで決断を迫られることに苦悩する。一方、本作が『おくりびと』以来約7年ぶりの本格復帰映画となる本木は昭和天皇役。そのほか、時の内閣総理大臣・鈴木貫太郎を山崎、内閣書記官長・迫水久常を堤、終戦に反対する若手将校・畑中健二少佐を松坂桃李が演じる。映画では、この畑中少佐ら若手将校たちがクーデターを計画。玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局の占拠へと動きはじめる。

自身の演じる役柄について、役所は「戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした」と説明。作品の魅力を「各個人それぞれの『家族』、そして天皇を中心とした日本という『家族』、その『家族』というテーマに重きを置いて描かれていること」と読み解き、「山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです」と豪華俳優陣との共演に心を躍らせている。