安倍晋三首相は18日夜、記者会見を開催し、2015年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げを1年半先送りすると発表した。その上で国民に信を問うとして、21日に衆議院を解散する意向を表明した。

安倍首相会見の模様(出典:首相官邸ホームページ)((C)内閣広報室)

増税の再延期はせず、景気判断条項を排除

首相は、消費税率の引き上げについて、社会保障制度を次世代に引き渡し、子育て支援を充実させていくために必要と考え、税制改革法案に賛成したと説明。しかし、再増税によって景気が腰折れてしまい、税率を上げても税収が増えないということになれば、元も子もないとし、7~9月期のGDP速報や個人消費の状況などを総合的に勘案した結果、引き上げを法定通り行わず、延期すべきだとの結論に達したと述べた。

一方、延長後となる2017年4月の消費税率10%への引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施するとし、再延期は行わないと断言した。

経済再生と財政再建の実現目指す

アベノミクスについては、「3本の矢の経済政策は確実に成果を上げつつあります」と話し、「企業の収益が増え、雇用が拡大し、賃金が上昇し、そして消費が拡大していく、そして景気が回復していくという経済の好循環がまさに生まれようとしています」と成果を強調した。

その上で、個人消費のてこ入れと、地方経済を底上げするために経済対策を実施し、次期通常国会に必要となる補正予算を提出すると表明。さらに財政再建の旗を降ろすことは決してないと述べ、2020年度の財政健全化目標についても堅持するとし、2015年夏までにその達成に向けた具体的な計画を策定するなどして、「経済再生と財政再建、この2つを同時に実現していく」と話した。

自・公で過半数維持できなければ退陣

衆議院を解散する時期については、「国民の判断を仰いだ上で、来年度予算に遅滞をもたらさないぎりぎりのタイミングである」と説明した。

今回の解散については「大義がない」との批判があるが、との質問に対しては、再増税の延期、景気判断条項の排除は重大な変更だとし、「そうした変更については、国民の信を問う、当然のことであり、民主主義の私は王道と言ってもいいと思います」と述べ、国民の協力なくして成長戦略という重要な政策は実行できないと説明した。

選挙の勝敗ラインについては、自民、公明の連立与党によって過半数を維持できなければ、アベノミクスを進めていくことはできないとし、過半数を得られなければ退陣すると明言した。

軽減税率の実施については、導入に向けて、自民、公明の両党で検討していくと話した。